今日も主食はカロリーブロック

ラブライブ!やラブライブ!サンシャイン!!に関することを、時折思いつきで書いていこうと思います。

2021/8/8「Youthfulize」歌詞のこと。

はじめに

 こんにちは、ぶろっくです。

 本日8/8に、新曲「Youthfulize」を投稿しました。

www.youtube.com


 企画・作詞:ぶろっく(@kitakaze34622)

作編曲:林檎好き(@R_g_jol)

歌・イラスト:ぶれジョニ(@bladebreakJohn)

 ギター:スパボ(@daisonHDD)

ベース:はま(@ybybybmh)

動画:トミー(@Tommy__445)

 

 タイミングとしてはせつ菜の誕生日に合わせて投稿しています。

 ただ、せつ菜の誕生日のための曲というよりは、私がせつ菜から感じたものを形にした、というもの。

「形にする」というモチベーションと、それからお祝いのための何かにもなればと、結果的にこの日を期限と設定してお披露目となりました。

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 動画の方向性が何一つないときに頼んだイメージ画。

 彼女が背を押されているのか、手を引いてくれるのか、ともかく「これから何かが始まる」というイメージで。

 なぜ「この」衣装なのかは……ご想像にお任せします。

 

 

歌詞

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※以下の内容は曲のおまけであり、歌詞を解釈する上での正解では決してありません。

 聴かれる方それぞれにとってどんな歌詞に聞こえるのか、そんなところもお楽しみいただければ幸いです。*1

 

吹き消した
灯(あか)りの跡 手放せない

 別に私が彼方ちゃん好きだから「あかり」っていう響きを入れたかったわけではなく。

 これは蝋燭の火をイメージしているのですが、蝋燭の火って消すと白い線が上にのぼっていきますよね。

 歌詞を書くときに調べていて知ったのですが、あの白い筋に火を付けると、もう一度火がつくらしいんですよ。ちょっと未練がましいような歌詞かもしれませんが、実はまた火がつくための準備は整っているよ、という感覚ですね。

 

ひとりの時間が 肌を
ひやりとさらう 自分思い出させる

 時間が肌をさらう、あるいは肌で時間を感じる、という感覚。

「時の流れを〜」というと感覚的に捉えるのは難しいかもしれませんが、例えば「朝の空気感」とか「冬の空気のピリピリ感」とか、そういうちょっと限定的なところはイメージしやすいかもしれませんね。

 実のところ、この歌詞は「せつ菜(菜々)は朝の空気が好き」という公式コミックの内容から来ているところ。

 なので、意外と見た目よりはポジティブな言葉として書いています。本来の自分に立ち返る、背筋の伸びるような時間としてね。

 (もっとも、「そうは読まんやろ」とも思いながら書いているので。同好会解散時の彼女の心情としても読むことができると思います。それもそれで正解なのです。)

 

知らなかった視線 集めて
知らない僕が笑う
ありたい姿 輝く自分
誰に望まれたの

 自分のありたい姿と、人から期待されているものとが、必ずしも一致するとは限らないと思うんですよ。あとは、人からの評価と自己評価が一致しなくて困惑することとかね。

 

迷え でも 踏み出してから
怖いのは 今、走り出さない自分

 迷え、というのは「迷ってもいいよ」くらいの感じですね。存分に迷いなさい、みたいな。

 進み始めてしまえば「結局やめられないんですよね」になると思うのですが、逆にいえば「(大好きなことを)やめられる自分」になってしまうことって、怖いことというか、自分が自分でいることの否定というか。そういう自分にはなりたくないなって思う。

 踏み出さないというのは、やるかやらないかというよりは、「自分の大切なものを大切にしない」ということ。

 

叫べ ほら ちっぽけな僕に
収まらなくなる前に
燻ったまま 焦がさないように

 よく「自分はすごくないからやらない」みたいなことって、あると思うんですよ。

 例えばこういうブログにしたって、文を書くのが苦手だから、形にしたいものがあっても実際に踏み出せない、とか。

 でも、個人的には逆っぽいなと、感覚的に思うんですよね。

 そんなにたくさんの感情を溜めておけないから、「これ大事だと思った!」というものは、きちんとアウトプットしておかないといけない。方法はなんだっていいんですけど。

 ある意味、行動としてはガス抜きに近いかもしれないですね。

 

輝いた
大きな炎 憧れて
ひとりで磨いた翼
あなたと同じ 光になりたくて

 ここが誰の視点なのかっていうのは、あんまり限定しなくてもいいかなって思っています。曲全体が「特定の誰かの視点です」というものではないので。

 あえてこの曲をせつ菜/菜々の視点で読み解こうとするのなら、「あなた」は菜々にとってのせつ菜のことかもしれませんし*2、せつ菜にとってはスクールアイドルにあこがれるきっかけになった何か、具体的には大会「ラブライブ!」で見てきたスクールアイドルの誰か、ですね。

 ちなみに私個人はこの「せつ菜が憧れたスクールアイドルがどこかにいる」という考え方が好き。

 時系列としては、同好会結成前とかになるんですかね。一番の「ひとり」が同好会が一度解散したあたりを想定しているので、同じ言葉でも経緯がだいぶ違います。

 

知ってしまった夢 いつかは
私を迎えてくれる?
理想の彼方 煌めく世界
僕は手放せない

 ここの「彼方」については、わざと入れています。

 せつ菜は彼方と互いをリスペクトしあっていて、でも決して自分がそうなろうとか、そんなことは絶対に思わないんですよね。そういうとこ好きだなあ。

 

「できない」みたいな歌詞ですが、ネガティブにもポジティブにも捉えられるように書くようにしました。

 夢を追いかけていれば何かが起こるかもしれないという希望。あるいは誰かの姿に思いを馳せているだけでは何も起こせないという戒め。とはいえ瞼に張り付いて仕方ない憧れの光景。

 逆にここをどんな捉え方をされるのか楽しみですね。

 直接的な解釈のことではありませんが、この曲全体としてアニガサキ第12話におけるせつ菜と歩夢のやり取りを結構意識して書いているパートがいくつかあって、ここはそのうちのひとつです。

 

臆病な自分でいること
それだけ怖いから 今だけ頼ってよ

 慎重でいることは、別に悪いことではないんですよね。ただ、臆病っていうのは少し「慎重」とは違う。見極めているのか、スタンスがそもそも逃げ腰か、みたいな。

 本質的に怖いこと、避けたいことは「自分が自分でいられなくなること」「自分らしさを失って生きていくこと」で、そのうちの表現の一つとして「臆病な自分でいる」という言葉を選んでみました。

 

瞳に灯火を 小さな勇気を
見つけて 導いて

 アニガサキにおけるせつ菜のライブシーンで印象的な「瞳」にかかわるシーン*3をイメージしながら。

「~して」という表現は視点が迷子になるので書き手としても読み手としても難しいのですが、せつ菜に関しては「導く側」であり、同時に「導かれる側」でもあるので、どんな光景を想像するかで読み方を変えていいのだと思います。

 

お願い ほら 夢の後に残る
何かを気にするより前に
ぎこちなく僕の 手を引いて

 実は、などと勿体ぶるつもりは全くありませんが、この詞を作るとき、デジモンの曲を聴いていたという。

 だってほら、8月だし。オダイバだし。アニメだし。熱いし。絶対にせつ菜はデジモン好きでしょって思う。

 だから、ここの歌詞は和田光司さんの「Butter-fly」を多分に意識しています。

「無限大な夢のあとの 何もない世の中じゃ

 そうさ愛しい 思いも負けそうになるけど」

っていうやつですね。「後」を漢字にしたのは、なんというかこう、抵抗です。

 

迷うかも もう動けない?
私 それとも あなたの声聞こえたよ

 この「もう動けない(よ)」は、直接的にはアニガサキ第12話の歩夢の言葉です。

 別にせつ菜と菜々の関係だけを描いた曲ではなくて、実際のところ他にも侑との関係であったり、歩夢とであったり、いろいろな出会いがせつ菜を作り上げて、手を引かれたり引いたりしているわけですよね。

 そのうちの一人に、きっと我々のような「ファン」っていう存在も含まれると思うし。私が歩みを止めそうなときに、きっとその声を聞いたかのように勇気をくれるのがせつ菜なんだろうなあ、とか。

 

叫べ ほら 答えはもう分かってる
ただ 手を添えるから
燃えるような 今日が始まれ

 踏み出せないことって「答えがわかっているけれどできない」が多いような気が勝手にしている。なんだかそれって勿体ないなあと、漠然と思います。*4

  そういえば誰の「今日」が始まれなのかは書いていませんが、この曲で言いたかったことって「自分のことも、誰かのことも、背中を押せるような自分になりたい」っていうことだったりする。ので、あんまりそれが誰かを重要視はしていないです。私はね。

 

 以上、「こんなことを考えながら書いてました」っていう内容でした。

 曲自体の読み解きについては、読まれた方がお好きにやっていただければ、という感覚です。感想とかあったらうれしいですね。

 

背景

 3年くらい前から、ブログという形で歌詞にたくさん触れるようになりました。

 そもそも学生の頃は詩や短編創作に趣味として取り組んでいましたが、社会人になって以降は「やろう」と思っても、なんとなく半端になりがちに。

 そんななか、もう1年以上も前のことになりますが、新型なんちゃらの情勢下で、改めて作詞に挑戦するようになりました。


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k-block.hatenablog.com

 

 作詞の楽しさ、他のクリエイターと作り上げる面白さ、そういうものを強く感じた出来事。

 そうすると、また次もやりたいなと思うようになるんですね。

 でも、なかなかうまくいかないもので。

 もう、一年以上ずっとこんな感じ。

 一回は挑戦したけれど、やりたいけれど、後が続かず。

 

 そんななか運良く参加できた、がさらじ公開録音第二部。

 みなさん、お聞きになりましたでしょうか。

せつ菜「最終的に迷ったときは、自分の考えたことを真っ直ぐに書くのが、一番いいんじゃないでしょうか。素敵な歌になるように願ってますね!」

(公開録音第二部「優木せつ菜の 君にYELL!!」のコーナーより) 

 一回は挑戦したけれど── というお便りが採用されて、直接エールをね、いただいたわけだ。

 楠木ともりさんといえば私が今一番好きなアーティストであり、作家な訳ですが、その人の声を借りて。

 そこで「やりたい」寄りのポジティブな「やらなきゃ!」の気持ちが湧いてくると同時に、「こうやって背中を押せる、そんな力を持った人ってカッコいいな」って思ったんですよね。

 今にして思えば、この曲の方向性はそんなところから決まったのかもしれません。

 なのでこの曲はせつ菜をイメージした曲でありながら、私の内面にあったものの曲でもある、という。以前曜の誕生日用に書いた「ソース」という詞は「私の中の曜」というキャラクターソング的なニュアンスの強い曲でしたが、今回はもう「それぞれがそれぞれに解釈してもらえれば」という書き方ができたような気がします。

 

おわりに

ぶろっく「今回はなんと! 〇ヶ月の猶予があります!」

みんな「わあ、結構時間無いですね」

 協力していただいた皆さんには、またしても強行スケジュールでお願いしてしまいました。もう少し時間には余裕を持とうと思う反面、時間があっても結局締め切りには追われそうという予感もある。

 とにかく楽しかったですし。詞に音がついて、楽器が入って、歌が入って、映像になって。自分以外のクリエイターが解釈を重ねていくことで面白いものになっていったなあと、その過程を見ていて、感動しっぱなしでした。*5

 この曲から誰かの姿を見て、何か「自分だけに見えるもの」を感じてくださる方がいたらうれしいなあ、と思いますね。

 以上、今回の曲のお話でした。

 感想等あったら、なおうれしいです。

 

おまけ

 あ、タイトルの話を忘れていました。

Youthful(若々しい)+~ize(〇〇のようになる)という造語でもあり、

You(あなた)+~th(〇回目)+~ful(〇〇らしい)+~ize(〇〇のようになる)という造語でもある。

 平たく言っちゃえば「今のあなたでいられるように」みたいなことを考えながら言葉を作っていたわけですね。文法とか度外視で。

 

 

ぶろっく

 

*1:せつ菜に重ねてみたり、自分に重ねてみたり、ぶろっくに重ねてみたり、あるいは全く別の登場人物が浮かび上がってくるかもしれませんしね。

*2:人から見えるような素敵な人に、本当に自分がなれているのだろうか。そんな自分になりたい。みたいなことですね。

*3:CHASE!では侑の、DIVE!ではせつ菜自身の。

*4:もちろん、世の中には手を出さない方がいいことはたくさんあるのですが。主に自分の身を滅ぼすことと、極端に誰かの迷惑になること。

*5:トミーさん「この歌詞って、手を使う(イメージする)ところが多いと思うんですけど」

ぶろっく「そうなんですか? あ、本当だ」