今日も主食はカロリーブロック

ラブライブ!やラブライブ!サンシャイン!!に関することを、時折思いつきで書いていこうと思います。

「Märchen Star」の歌詞を読む。

 はじめに

 こんにちは、ぶろっくです。

 ついに発売されましたね。

 待ちに待ったニジガク3rdアルバム!!!

 

 


【試聴動画】Just Believe!!! / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

 

 9人目までのソロ曲は「ニジガクみゅ〜じっくウィーク!」として、毎週試聴動画が投稿されてきました。

 このブログでも取り上げたのは、私の記憶にも新しいところです。

k-block.hatenablog.com

 試聴動画が上がったその日に、第一印象でガーッと書いたものでした。

 

 でね。

 今回、せっかくフルが解禁されたということで。

 印象も大事ですが、歌詞のひとつひとつをじっくりと噛み締めながら、改めて歌詞を読んでいきますよ。

 私的イチオシ、近江彼方ちゃんの「Märchen Star」*1です。

 

(よろしければ、これまでに書いた彼方ちゃん関連曲の記事もどうぞ。)

k-block.hatenablog.com

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歌詞

夢の世界へ お連れする魔法かけちゃいましょう

「あなたはだんだん眠くなる」、、ほらっ

 

「夢」というワードが極めて重要そうな、今回のアルバム。

 この「Märchen Star」においても、「夢の世界」が何を指しているのかを考えさせられるパートが、後半に登場します。

 どんなところかはまだ分かりませんが、彼方が夢見る(目指す、ともいう)世界に連れていってもらえるようです。

 分からないけど、多分、いいところなんでしょう。

(魔女っ子衣装だからって、とって食われることはないはずである。)

 

 魔法をかける言葉の、表記が可愛いですね。

 曲と連動するエピソードでは、彼方が作詞を手がけている様子が描かれています。彼女の言葉のチョイスだと考えると、なんだか微笑ましい気持ち。

 そうそう。先日の「毎日劇場」*2ではしずくちゃんを寝かしつけて(?)いましたが、その時の光景も思い出されます。

 

「ねえねえ、たくさん日光浴した枕、どう? ふかふか? 気持ちいい? ちょっと使ってみて〜」

「……ふかふかですね。気持ちいいです」

「干したてだから、お日様の匂いがするんだよね〜」

「たしかに、お日様の匂い……すやあ……」

「ふふ、演劇部との掛け持ちは疲れちゃうよね。おやすみ、しずくちゃん

(スクスタアプリ内「毎日劇場『魔法の枕』」、第198回、2020年8月18日)

 

 こういったエピソードもコミコミで、とても彼方らしい導入ですね。(睡眠だけに!)

 

フワフワ枕雲と

お菓子の街 見下ろして

プラネタリウムの空

飛び回ろうよ

 

 彼方のいう「夢の世界」には、どんな風景が広がっているのか?

 それがこのパートで見えてきます。

 

 もちろん風景として幻想的ですが、三つそれぞれがどういう意味を持つのか考えます。*3

 私の勝手な解釈ですが、

 

リラックスできる()

思い出深い*4自信を持てる(お菓子)

人の手で作られている(プラネタリウム)

 

という要素を読み取ることができます。

 これが彼方の夢の特徴、というわけですね。

 

 で、この「人の手で作られている」というのは、ちょっと「Märchen(メルヘン)」っぽくないような気がしますよね。

 しかし、ひとつひとつの星が彼方を応援してくれる人が彼方を照らす光だとしたら。

 それは彼方にとって、最高にワガママで、メルヘンな世界なのだと思います。

  

どんなだってね みんながいてくれるから

叶えられちゃう ここはそんな場所なのです!

 

 一行目の「夢」は「叶えたいこと」ですね。

 ストーリーによると、この曲は彼方が自分の夢の世界にファンを招待してライブをするという曲です。なので、「ここ」は彼方の夢の世界のことですね。

 

 “みんな”……つまり、彼方を応援したり、肯定したり、支えている全ての人。

 “みんな”に叶えてもらった彼方の夢とは、なんなのか。

 それこそが、先程の歌詞で確認した三つの特徴です。

 姉として、娘として、先輩として、特待生として。こうあれ、と彼方が求められるものは非常に多くて、自分が選んだことであっても、息苦しいことはあるのかもしれない*5。彼方はその息苦しさとの付き合い方が上手かもしれないけれど、周囲からはだらけているように思われがち。

 けれど、彼女を支える人が多くなって、環境や心の持ち方には大きく変化が見られたのかもしれませんね。この辺りはキズナエピソードから想像するところです。

  

 前曲「My Own Fairy-Tale」*6で彼方は眠ったまま見る、叶わない幻想のことも「夢」と表現していました。

(眠ってばかりストーリー のままにしないように という歌詞について)

ストーリー・夢:叶えたいこと、願いごと

眠ってばかり・夢:叶っていない、実現しないと思っていること

 

こんな風に読むと、

 

いつも叶っていない願いごと

願い叶わないままにしないように

 

と読み換えることができます。

「My Own Fairy-Tale」をきちんと読む。 - 今日も主食はカロリーブロック

 

 素敵な夢も、覚めてしまったらそこでおしまい。 

 そうならないように、この曲を歌う……というのが「My Own Fairy-Tale」でした。

 そうやって歌ってきた結果、彼方がどんな気持ちに至ったのか。それを伝えるのがこの「Märchen Star」です。

 

 夢の世界が“叶わない幸福な願い”の象徴であったことが、以前はあったのかもしれない。

 けれど今の彼方にとっては、“応援してくれる人たちのおかげで、願いが叶う場所”を指す言葉になっています。

 そして、その幸せな気持ちを形にして、ライブという形でみんなに、夢の世界を見せたかった。

 

お星様掴んで プレゼントさせてほしいの

いつでも 頑張れる

お守りだよ Märchen Star 

 

 彼方から、彼方を応援してくれる人たちがいつでも頑張れるように、このキラキラな時間をお守りとしてプレゼントする。

 

 先程の「プラネタリウムの空」から想像するに、この「お星様」というのは“みんな”の放つ光のことだと考えています。

 彼方が“みんな”からもらった気持ちを、今度は彼方から“みんな”に伝えたい、ということですね。彼方から見た“みんな”の温かさ、眩しさを「Märchen Star」という言葉で表現しています。

  

思いつくだけ 好きなもの並べてみちゃいましょう

一つ一つ 全て宝物です 

 

 前後の歌詞を考えると、彼方の好きなものを並べてみよう、ということのようですね。そうすることで夢の世界の姿を、よりはっきりと“みんな”に届けられそうです。

 二番で挙げるものは、彼方のストーリーや過去に歌った曲等を踏まえると、想像力を膨らませるのが楽しい歌詞だと思います。

 

目覚まし時計の森

お昼寝ベッドの丘越え

月明かりのカーニバル

踊り明かそう!

 

 お昼寝大好きな彼方にとって目覚まし時計がポジティブなアイテムなのは、言わずもがな、キズナエピソード第6話を経て作られた彼方専用目覚まし時計のおかげでしょう。

 その目覚ましのおかげで、彼方は夢から覚めても、夢のような思い出に手を引かれながら目を覚ますことができるわけです。

 

 お昼寝ベッドは、おそらく保健室のベッドのことです。

 学校で他にベッドというのは登場していません(無くても道端で眠ってしまうくらいだし)。

 家には妹の遥との二段ベッドがありますが、家にいたとある休日は、なんと日中に寝ていないといいます。

lovelive-sif.bushimo.jp

 その辺りから、お昼寝ベッドというのが保健室のものだと想像したんです。

 実は「お昼寝ベッドの丘越え」は、“あなた(部長)”が彼方をスクールアイドルに誘いに来たときのことを表しているのではないかな、と思います。あれも保健室のベッドでしたし、彼方が自分で決めたわがままを貫けないでいた時期に、それを乗り越えるきっかけとなったのは、あの場所でしたからね。

 

 そして、月明かりのカーニバルです。

 ここで考えたことは「月と彼方の、そしてこの曲のあり方は似ている」ということ。

 彼方にとって、スクールアイドルは“わがまま”で、他に優先されることがあれば叶わなくなってしまう。つまり、ほかのことが達成できていて初めてスクールアイドルでいられる。それって、月が先に他の光源がないと輝けないことに、ほんの少しだけ似ています。

 また、一番の読み解きで「彼方が“みんな”からもらった気持ちを、今度は彼方から“みんな”に伝えたい」と書きましたが、これこそ恒星の光を受け取ってみんなを照らす月明かりのようですよね。

 

 そしてもうひとつ、これは非常に発想の飛躍なので、「ねーわ」と思う方はそう思っていただいて、構わないのですが……。

 月明かりが“恋心”や“神秘的なこと”の表現かな、というのは、なんとなく理解していただけるかなと思います。

 またラブライブ!の文脈では、恋とスクールアイドルをリンクして読むことがあります*7

 月→恋心→スクールアイドル という風に連想していくことでも、この歌詞がスクールアイドルについて触れているパートであると想像することができます。

 

どんな時だってね みんながいてくれたから

夢をみられる 溢れ出すのは「ありがとう」

 

 ここの歌詞が「プレゼントさせてほしいの」という気持ちの正体。

 これは私の話なのですが、彼方の好きなところは「ありがとう」という言葉がひとつひとつ重みを持っているところだったりします。 

 ぜひキズナエピソードで、彼方ちゃんの「ありがとう」をひとつひとつ聞いてみてください。きっと、温かい気持ちになれるはず。

 

 

ちゃんと言葉にして プレゼントさせてほしいの

あなたは いつだって

私だけの Märchen Star 

 

 彼方が自分の曲で「ありがとう」の気持ちを伝えるのは、これが初めてですね。

 ちなみに、 「Love U my friends」*8では三年生パートの一員として「ありがとう」を歌っていますが、あの曲は“あなた”に向けたニジガクからの曲で、Märchen Starの“みんな”に向けた気持ちとも、少し違うのかな、という感じです。

 

 彼方のわがままポイントなのですが、「私だけの」というのがアクセントになっていていいですね。

「な、なるほど……それでみんな喜んでくれるのかな?」

「大丈夫。彼方ちゃんのファンのみんなは絶対に楽しんでくれるから〜。彼方ちゃん、それはわかるんだ〜」

 (近江彼方キズナエピソード 第17話「彼方ちゃんすやすやクラブ」より) 

 “あなた”から見たら最初こそ「ええ……?」と思うようなこともあるかもしれない。

 けれど、彼方にとっては「近江彼方を応援してくれるファンのみんなだから」という、固い絆が確かにあるんですね。

 

次はどんな未来(ゆめ)を

一緒に見に行けるかな?

こんな気持ち初めてだよ!

 

 これまで彼方にとって、夢はひとりで、眠ったまま見るものでした。

 いや、大抵の人にとっては、そういうものだと思いますけどね。

 だいたい、夢の中の世界に未来っていう概念はあるのでしょうか。わかりませんが。

 

「次は」ということは、どこかで未来(ゆめ)を経験して今に至っているはず。

 思えば「My Own Fairy-Tale」でも、夢が覚めた後も幸せな時間を胸において過ごせるように、というように歌っていました。

 夢が覚めた後の未来がイマここにあって、彼方はその次を求めてるのかもしれませんね。 

 

1人じゃ描けない 素敵なお話

続くよ 続けよう

もっと もっと!!!

 

一緒に歌おうよ…

 

 感嘆符(通称:びっくりマーク)を三つ使用しているソロ曲は、ニジガク3rdアルバム「Just Believe!!!」収録曲の中で、愛の「楽しいの天才」と彼方の「Märchen Star」のみ。

 この三連びっくりに“Just Believe(ただ信じて)”という意味を見いだすのは安直かもしれません。でも。

みんな、夢の世界へようこそ〜。

今日の彼方ちゃんは、わがままお姫さま。

みんなが笑顔でいられるこの時間が、

ずっと続けばいいな。

(「My Own Fairy-Tale」より)

  彼方の願いの一つは、この幸せな時間がずっと続くこと。そのためには“みんな”が彼方を支えてくれること、信じていてくれることが、どうしたって必要なのです。

 

 だって、彼方は自分だけの力ではスクールアイドルに戻ってくることもできなかった。

 応援してくれる人がいなければ、こんなに幸せな気持ちに出会うこともできなかった。

 その気持ちを大切にしているから、ここでも彼方はわがままを言う。そう、これは彼方にとっては、わがままです。

 

 

どんな夢だってね みんながいてくれるから

叶えられちゃう ここはそんな場所なのです!

お星様掴んで プレゼントさせてほしいの

いつでも 頑張れる

お守りだよ Märchen Star 

 

Lululu Lululu Lululu…

 

 わがままというなら、「プレゼントさせてほしいの」というのもわがままですよね。

 プレゼントする星の光は、もともとは彼方が“みんな”から受けた輝き。それを彼方が再び渡すためには、ライブに来てもらわなくてはなりません。

 だから、この歌詞もひょっとしたら、「これからも彼方ちゃんと一緒に、素敵な時間を過ごしてほしいな」というわがままを込めている……のかもしれません。

 

終わりに

 今まで歌詞やキズナエピソードで感じてきた彼方ちゃんの気持ちが、今回はそのまま歌詞になったような曲でした。

 彼方ちゃんの「ありがとう」を探すの、楽しいので彼方推しはぜひやって見てください。

 

 そうそう、この場を借りてですが、ちょっと個人的なお願い事を。

 もし、スクスタで彼方“以外”のサイドエピソード(「特訓」で解放されるエピソード)で彼方が登場する話をご存知の方は、ぜひ情報をお寄せください。

 彼方のストーリーは全部網羅しているのですが、なかなか他の子のストーリーまで解放が追いつかず……彼方が出ているものがわかればそこから開けて行こうかなあ、という気持ちでおります。

 

 それでは、2ndライブも楽しみましょうね!

 

 

ぶろっく

 

 

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 またお台場にも行きたい。

*1:作詞:Ryota Saito 作曲:Ryota Saito、Diz 編曲:Diz

*2:スクスタのアプリ内で毎日更新される、登場人物の日常を描いたショートストーリーのこと。

*3:夢占いの結果を調べると、それはそれで興味深い結果が出るのですが、今回はもう少しダイレクトな捉え方をします。興味のある方はググってみてください。

*4:彼方のお菓子に関する思い出話は、スクフェス内特別ストーリー「彼方の仲直り大作戦」で読むことができます。ログインだけで誰でも読むことができます。

*5:同様に自分で選んだ二つの道を同時に邁進するしずくに対しては、しばしばリラックスするよう促している。

*6:作詞:Ryota Saito 作曲・編曲:Ryota Saito、Diz

*7:これは作詞者が異なるが、Aqoursの「恋になりたいAQUARIUM」等で顕著にみられる傾向である。他にも同シングルのc/w「待ってて愛のうた」にもいえる。

*8:作詞:Kanata Okajima 作曲:Keisuke Koyama、Shunsuke Harada 編曲:Keisuke Koyama