はじめに
こんにちは、ぶろっくです。
最近でこそアニガサキについて思ったことを書いていますが、普段は歌詞について考えたことを、つらつら書きなぐっている当ブログ。
今回は本日発売のこの曲*1を、せっかく一番好きな彼方ちゃんがお誕生日ということで。
【限定公開】Butterfly / 近江彼方(CV.鬼頭明里)【TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第7話ダンスシーン映像】
歌詞
(歌詞の括弧内は英語の意訳です。直訳ではなく、私が「こういう意味合いかな」と思いながら考えたやつなので、ご了承ください。)
Hey… Now listen (ねえ、よく聞いていて)
まあ、「ヘイ」とか「ナウ」は、何となくで考えてもらうとして。*2
“Listen”は「聞く」という意味ですね。「耳を傾ける、意識して聞く」です。*3
何を聞いてほしいのかは明言されていません。次の二つが合わさったようなニュアンスでしょうか。
・彼方の言葉を聞いてほしい
彼方が、遥に聞いてほしい言葉がある、という考え方。
この曲に書かれているのは「彼方が遥に伝えたいこと」だよ、ということですね。そりゃそうだ。
・聞こえてくる何かに耳を傾けてほしい
彼方には、「遥に一緒に聞いてほしい何か」が聞こえている、という考え方。
彼方が気づいたことを二人で共有して、一緒に進んでいこうよという曲でもある。一方的な曲ではないので、こういう考え方もアリかもしれません。
初めてで 一番の
You're my dearest treasure(何よりも守りたい宝物、それがあなた)
記憶の中で 溢れる Love with you(大好きの気持ち)
“Love with you”は、I'm in love with you.(あなたに恋している)の一部分でしょうか。主語の「私」は、記憶の中にたくさんいる、その時々の「私」みんなのことです。いつだって恋をしている。
彼方と遥、お互いに大切な存在です。
彼方にとって遥は幼い頃から守るべき可愛い妹だったでしょう。
遥からすると、自分のために無理をしていた彼方を今度は自分が、という気持ち。
そう思うに至ったのは、これまでの十数年間を一緒に過ごし、積み重ねてきたからこその愛情ゆえ。一瞬一瞬が積み重なって、どこを切り取っても今の「大切で大好き」という気持ちに繋がっています。
駆け足な Day by day(日々、毎日いつだって)
手を繋いで Time goes by(生きている私たち)
強くなれたんだ その温もりで
素敵な時間はあっという間に過ぎてしまうもの。お互いのおかげで輝いている日々は、いつだってあっという間なのでしょう。
また、時間は自分の意思に関わらず過ぎて行ってしまいます。
一人きりじゃ もう
両手いっぱい広げてもまだ
足りないほどに大きな Dreams 今
一緒に抱きしめよう
Dreamsは複数形。遥と彼方の二人分か、それ以上の誰か*4の夢ですね。
一人より二人のほうがたくさんのものを持てるのはもちろんですし、重たいものは二人で持てばいい。
今まで彼方に見えていたのは、「遥ちゃんを守らなきゃ」ということだけ。そのまま彼方も遥も好きなことをすると、本人は感じていなくても無理が生じる。
けれど互いにそう感じる二人なら、二人で二人の夢を追いかければいい。アニメでも描かれていましたね。
Butterfly 羽を広げたら
ハルカカナタ 高く飛ぼう
勇気の向こうに
美しい空 待ってるの
Butterflyは蝶々のことですね。
「羽を広げたら」というのはきっと、蛹(さなぎ)から羽化して蝶になったことを意味しているはず。
蝶は羽化してから羽を伸ばして乾かしてから飛び立ちます。高校生になって、スクールアイドルになってからちょっと時間はかかりましたが、ようやく「ハルカカナタ」……二人分の夢を追いかける羽の準備ができた、というところでしょうか。
準備はできた、あとは飛び出す勇気を出すだけです。
Butterfly
夢へ 羽ばたいて
花の季節 迎えよう
「夢」は具体的な場所というよりは、方向性のようなものでしょうか。例えば、二人ともがスクールアイドルをする、みたいな。
「花の季節」は春とするならいくつか深読みできる点があって
・春(彼方の卒業)を見据えている
彼方はこの一年しかスクールアイドルができないけれど、その間だけは遥とライバルとしてスクールアイドルができる。最後の一年をそうやって過ごして、素敵な思い出とともに卒業を迎えたい。
・はる(遥)という季節
彼方だけが負ってきたものを、遥が成長した(季節が流れた)ことによって、一緒に持って歩けるようになった。そんな二人の新しい関係を、彼方は歓迎している。
……みたいに読んであげると、歌詞に深みが増すような気がします。
叶えていけるきっと
信じて We can Fly!
さて、先程が「はる」でしたから、こちらは「かな」です。分かりやすいね。
先ほどの「ハルカカナタ」という歌詞も二人の夢という意味合いで捉えられますが、ここでも「彼方と遥だからこそ一緒に進める」という気持ちを感じます。
なお、「信じて We can Fly!」は二番ラストの同じ箇所の意訳と言ってもいいですね。詳しくはそちらで。
数えきれないほどに
Precious days we spend together(あなたと過ごすのが、特別にキラキラした毎日で)
沢山の笑顔 涙も Share with you(あなたと共にありたい)
このパートの英語を読みやすくして直訳すると、
We spend precious days together.
“私たちは一緒に特別な日々を過ごして(費やして)いる”
ということになるでしょう。
お互いにとって物心ついたころから一緒にいるふたり。ともすれば当たり前すぎて意識しなくなってしまいそうですが、そんな互いのことを「特別」と言える二人の関係は本当に素敵です。
突然の Rainy day(辛いとき)
向かい風でも We came through(ふたりだから乗り越えられたね)
この先もずっと 越えていけるよ
“Rainy day”にはたんに雨降りの日という意味もありますが、順調でない時のことを表現する言葉でもあります。
特に羽化したばかりの蝶が羽を乾かすには、あまりいい天気とは言えませんね。向かい風にしても、二人が羽ばたく環境の厳しさを感じさせます。
“We came though”は、過去のある地点で出来事を乗り越えた、と表現するような英語です。
私の解釈は、彼方と遥のすれ違いを二人の愛情で乗り越えた、というようなところ。この先も同じように、何があっても二人なら越えていける。
いつの間にか もう
その手いっぱい伸ばしたら ほら
届きそうなほどに 近づいた Dream 今
ぎゅっとね つかまえて
「その手」は誰の手でしょう。彼方かもしれないし、遥かもしれない。「この」なら彼方のことで決まりでしょうけど、そうじゃないので想像が膨らみますね。
二番では“Dream”と単数になっています。
二人それぞれが、やりたいこと・なりたい自分の夢を描いている。
けれど、二人はお互いにひとつの夢を共有してもいるわけです。つまり、どちらかではなく二人でスクールアイドルとして輝くこと、です。
Touch the sky(手を伸ばして) もしも迷ったら
自由に夢を 描いてみよう
笑顔の向こうに
望んだ未来 待ってるよ
空に手を触れて、という言葉。もちろん空は触れませんし、どこからどこまでが空なのかも良くわかりませんが。ここでは「手を上に伸ばす」という意味で考えておきましょう。
一番と比較すると「勇気」に対して「笑顔」、「美しい空」に対して「望んだ未来」です。
「勇気を出した結果として笑顔を見られる」
「望んだ未来が美しい空みたいな色をしている」
というようにリンクさせて解釈してあげても面白いですね。
Brighter sky(空は眩しいね)
涙こぼれても
大丈夫 一人じゃないよ
ぶろっくイチオシの歌詞はここですね。
「涙が溢れても、一人じゃないから “Brighter sky(より輝く空)”を見れる」
「“Brighter sky(眩しい空)”を見て涙が溢れても大丈夫、一人じゃないよ」
というふた通りの読み方ができるのですが、下の読み方が大好きです。
眩しいと涙が出たりしますよね。単に光が眩しいときもそうですし、輝いている人を見てから自分を顧みたときも泣きたくなるかもしれない。
けれどそんなとき、一人じゃないよと支えてくれる相手の存在は大きいですね。
叶えていこう もっと
I can tell you “We can Fly!”(私たちなら、きっと大丈夫だから)
一番で「信じて We can Fly!」だったところですね。
“I can tell you”は直訳すると「私はあなたに伝えることができる」なので、意訳して「(あなたにわかって欲しいこととして、)これははっきりとした事実ですよ」というような雰囲気。
「私があなたに伝えたいのだけど、私たちは飛ぶことができます!」というのを意訳すると、上のような日本語で表現できるかと思います。英語の歌詞を自分なりの日本語にするの、楽しいので是非挑戦してみてください。
それぞれの夢
それぞれのColorで
進んでいこう
自分らしくね
彼方と遥は、似た者姉妹でありながら、かなり凸凹な二人です。
かたや、しっかり者だけど料理は極めて苦手*5、グループでセンターを務めることもある遥。
かたや、普段はのんびりしているけれどお料理は大得意、ソロアイドルとして活動する彼方。
どこを切り取っても似ていない二人ですが、だからこそ片方だけがスクールアイドルでいるのは物足りない気がしますよね。
重ね重ねですが、二人ともがスクールアイドルでい続けることは、二人にとって大切なのです。
羽ばたこう
Butterfly 羽を広げたら
ハルカカナタ 高く飛ぼう
勇気の向こうに
美しい空 待ってるの
Butterfly
夢へ 羽ばたいて
花の季節 迎えよう
叶えていけるきっと
信じて We can Fly!
ここの「羽ばたこう」から先は一番と同じ歌詞ですね。
けれど、二番で「二人で強くなってきた」ということを確認してからもう一度聴くと、より耳に納得感の残る印象。冒頭の“Hey… Now listen”の「よく耳をすます」というのは、それを感じるということでもあるのかもしれない。
終わりに
駆け足でしたが、Butterflyの歌詞について考えたことを書いてきました。
英語の歌詞を直訳でなく意訳するのは、楽しいですし、何より歌詞に込められた感情と向き合うきっかけにもなるので、是非やってみてください。
最後に……
近江彼方ちゃん、お誕生日おめでとう!
出典:ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第7話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)より
ぶろっく
*1:「Butterfly」歌:近江彼方(CV.鬼頭明里)、作詞:Ayaka Miyake、作曲・編曲:Em.me
*2:個人的にここの“Hey...”で、「ゼルダの伝説 時のオカリナ」に登場するとある妖精を思い出したのですが……同じことを思った人はいるのでしょうか? ちなみにこの言葉で検索をかけると、どうやらピーターパンにも「耳をすませろ!」という意味で使われる言葉のようですね。妖精モチーフ、いいですね。
*3:頑張って聞く、と言ってもいいかもしれません。自然に聞こえてくる、というのとは少し違いますね。
*4:例えば遥と彼方の親であったり、互いの学校の仲間であったり、ファンであったり。
*5:スクフェスにて、自分の料理を「毒」とまで表現していました。勝手に料理をさせたら、もしかしたらせつ菜クラスなのかもしれませんね。