第11話で一番好きなところ、せつ菜々ちゃんの咳払い。
(この話は広がりません。)
はじめに
第11話。物議を醸した回と言えるのかもしれませんが、その辺りは好みの問題もあるかもしれませんね。
私はこういうすれ違いのあるお話は大好きなので、ワクワクです。
前回のブログで歩夢とせつ菜の視点の違いについて考えていたのもあって、結構すんなり入ってきたかも。
「スクールアイドルフェスティバル」に向け、準備を始めた侑たち。
・生徒会からのダメ出しを受け、イベントの内容を具体的にしていく
・歩夢が侑との関係に悩む
というのが、大まかな今回のお話の柱でした。
全部やりたい!
同好会としてスクールアイドルフェスティバルのようなイベントを開催するなら、まずは生徒会から活動の許可を貰わなくてはなりません。
前回の侑が語ったパッションをぶつけたところ、生徒会は具体的な課題を提示してくれました。
まあ、このままだと確かに抽象的ですね。
どこの学校と合同なのか
これはシンプルです。東雲学院と藤黄学園ですね。
東雲からは遥とクリスティーナ。藤黄からは美咲と姫乃。おなじみのメンバーですね。
座席順も、奥から東雲と関わりのある彼方とせつ菜、手前側に果林。今までの人脈フル活用ってな雰囲気ですね。(しずくは?)
ワクワクする、という言葉に目を輝かせる侑。
誰かのワクワクに一緒にワクワクできる。そんな侑だからこそ、スクールアイドルたちはみんな、彼女と一緒にワクワクしたいって思うんですよね。
ここ!
「あ、クリスティーナだ!」っていうポイントですね。
スクフェス時代から見慣れた構図でもありますけど、喋り方も相まって、短時間でも彼女の人となりがわかりやすいワンシーンです。
そして、侑のやりたいことに近づいたときに自分のことのように喜ぶせつ菜、可愛いですね。本当に「自分の夢」にもなってるんだなあ。
具体的な行動予定/開催地の希望
何をするのか。どうやって実現するのか。
同好会のメンバーはそれぞれ独特の視線を持っているので、この問題の解決はみんなの気づきによって、自然と進んでいきます。
例えば夏休み期間だけれど、璃奈はその間でも宣伝できる方法を持っている。
このシーンの璃奈の決意に満ちた声音、すごく素敵でしたね。
ライブ、そしてイベントを開催するのだから体力は必須。その点を伸ばすのに、愛の存在は欠かせません。
設営や衣装に関しては、同好会を好きになった人たちの力を借りることができる。
イベント自体は、なんとかできそうな気になってきましたね。
最初はみんなに存在を知られていなかったかすみんボックス。
口コミやホームページの宣伝で、
あふれんばかりのメッセージが。
投書にあった“やりたいこと”と開催地、企画書に全部書き出すわけにもいかなかったようで……
いや、生徒会はそれを書いて欲しかったのでは?
そこを空欄にして「街全体で。それぞれの希望でやりたいこと、全部やります!」って、詳細詰めるとき大変なことになりそうですね。
企画が承認されているから、まあいいのか……もう「やれるもんならやってみろ」という勢いで承認されている気がしますが。*1
いや、内容は詳細に書いてあって、会場だけが空欄……? そんな器用なことできます? スクールアイドル以外のことが焼き菓子同好会だけならそれで収まるかもしれませんが。
この企画書、グッズ化してくれないかなあ。みんなで夜遅くまで準備していただけに、そんな薄っぺらな内容ではないと思うので……詳細が気になって仕方ありません。
そうそう。かすみんボックスね。
せつ菜さん、なぜか大興奮。可愛さとメカメカしさの塩梅がヒットしたのでしょうか。
彼方の視点だと、ちょうど少し作りの荒いところが見え隠れ。
でもそういう努力してるところが可愛いんだろうなあ。お姉ちゃんとしてはね。
しずく、彼方、せつ菜の3人は特に、かすみのこういうところを好いていそうですよね。かすみの気持ちを汲んであげるシーンの多いメンバーです。
いや分かりやすいけども!!!!
顔に思い切り張り紙をする愛と、分かりやすさにも「良いですね!」と言いながらすぐに持ち去るせつ菜、容赦ないな〜と思ってめちゃくちゃ笑いました。良いのかそれで。
まあでも、かすみのためだけじゃなくて、みんなのためのフェスですからね。顔のところに「みんな」と上書きするのは、良いことなのかも。
かすみといえば、このシーンも良かったですね。
同好会のみんな、それぞれの大事に持っている気持ちを自然に受け止めてあげられて素敵だなあ。
でもって、それだけを全てにしてしまわない。柔軟で良いですね。
……後ろの人、幸せそうだなあ。
私だけの侑ちゃん
歩夢は侑のことを置いて先にはいかない。
侑も、歩夢を置いて一人ではいかない。
それが歩夢にとっては間違いのない、当たり前のこと。
侑「待っててくれて、ありがとう」
知らない侑ちゃんがいる
そんなこんなで申請書は承認されますが、歩夢のモヤモヤは引き続き。
はじめに歩夢が手伝いを買って出たときは、侑は「練習があるから」と断る侑。
けれど間髪入れないせつ菜の言葉から、みんなが侑を手伝う流れに。
いや、悪いことじゃないんですよ。侑のやりたいことのために、せつ菜やみんなが力を貸してくれるのは、良いことです。
歩夢だってみんなと一緒に準備を進めていました。
複雑な胸中でも、前向きに頑張ろうという気持ちはあるんです。
けれど、どうしても侑とせつ菜に特別な関係を感じてしまう。
三年生が平和で可愛い。
歩夢にとって、せつ菜はすごい人だからこそ。侑が自分ではなくてせつ菜と一緒に夢を追いたいと思ってしまうことに、不安を感じるのでしょうか。
これは申請書を出し終わった後の集まりですが、この配置が
気づけば、こうなっている。
なんだか、歩夢は自信を無くしてるように感じました。なぜそう感じたかと言われると困るんですけど。
このちょっと居心地の悪い部室から、買い出しに出る歩夢。
一緒になったせつ菜から聞かされたのは、ピアノの話。
誰も悪くないのですが、せつ菜の言葉から歩夢は、こう思ったはずです。
「侑ちゃんは、せつ菜ちゃんにはピアノを弾いていることを教えていて、何度も弾いているところを聴かせている」
実際には侑は教えてはいませんし、せつ菜もそんなに何度も聴いているわけではない、全て偶然なのですが。
けれど最近の侑とせつ菜を見ていたら、「歩いていたら偶然音が聞こえてきたから」という言葉がなければ、二人だけの秘密を共有しているように思える。
歩夢「私の知らない、侑ちゃんがいる……」
初めて歩夢は、侑に置いていかれた気持ちになったのかもしれません。
いや、「みんなが侑の手を引いて、先へ行ってしまう」という方がいいかもしれませんね。
ひとりにしないで
侑の部屋に呼ばれた歩夢。
侑「あのね。歩夢に話そうと思ってたことがあるんだ。ただ、自分でも自信が持てなくって、もっと弾けるようになってからって思ってたら、時間経っちゃってさ」
歩夢「それって、ピアノのこと?」
侑「え? うん、それもあるんだけど ──」
歩夢の「それ」というのは、ピアノを弾いていること。
つまり、せつ菜には自分より先に教えていたこと。
歩夢「だったら、どうしてせつ菜ちゃんには教えたの? 私には言えなくて、せつ菜ちゃんには」
侑「え? なんでせつ菜ちゃんが出てくるの」
歩夢にしてみたら、せつ菜は侑にとって、まだ上手くないピアノを披露してもいいくらい信頼している相手で、自分はそういう相手じゃない。
侑にしてみたら「ピアノを練習していること」自体は、歩夢に話そうとしていることの本質ではないのでしょう。
これから言おうとしていることはせつ菜に話していない、誰より最初に歩夢に話すことなのだと思います。だから唯一ピアノのことを知っているせつ菜の名前が挙がっても、「どうしてせつ菜ちゃんが?」となるんだろうな。
そう、おそらく侑の「やりたいこと」はふたつあって、せつ菜やみんなが知っているのは片方だけなのです。
歩夢「せつ菜ちゃんの方が大事なの!?」
侑「違うよ」
平行線。
せつ菜ちゃんには言ったのに! という歩夢。そもそもせつ菜には話していない侑。だから、その誤解を解くための言葉を選ばないといけません。
侑「歩夢に伝えたかったのは、もっと先のこと」
歩夢「え……?」
どうしてこうなった。
ここまでで侑は、歩夢がせつ菜からピアノの話を聞かされていることに気づいているのかもしれません。
だとすれば、おそらく侑の言いたいのは「(せつ菜ちゃんに聞いてもらったピアノのことよりも)先のこと」です。つまりCHASE!をなぞって弾いていた時より、もっと何かをする。そのことを初めて、歩夢には伝えようと。
歩夢からすると、そもそも「侑のしようとしている話は、せつ菜がすでに知っている」という前提が抜けていないのでしょう。
自分が想定しているよりも先のことまで侑とせつ菜は共有していて、自分は遅れてそれを聞かされる。
つまるところ、歩夢は侑に置いていかれているのです。
侑「私ね、夢が出来……」
歩夢「嫌!!!」
歩夢「聞きたくないよ」
侑「歩夢?」
ここの侑の「歩夢?」が可愛すぎますね。そろそろ決定的な勘違いに気づいても良さそうです。
歩夢「私の夢を、一緒に見てくれるって。ずっと隣にいてくれるって、言ったじゃない」
侑「あ……」
歩夢「私、侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい。
……だから、私だけの侑ちゃんでいて?」
歩夢がスクールアイドルになったときのことを、思い出します。
「本当にすごいと思ったよ。自分の気持ちをあんなにまっすぐ伝えられるなんて。スクールアイドルって、本当にすごい」
「本当は私も、せつ菜さんに会ってみたかった。けど、会っちゃったら、自分の気持ちが止まらなくなりそうで怖かったの」
初めから歩夢は、自分の気持ちを止められなくなることに怖さを感じていました。そう考えると、こうやって素直な気持ちを侑にぶつけていることは、歩夢にとっての成長なのかもしれませんね。
けれど一方で、今の歩夢が侑に対して抱いている心情の本質は「置いていかないでほしい」なのだと思うのです*2。だから、歩夢の願いと侑の夢、そしてみんなのスクールアイドルフェスティバルは、両立できる。素敵なイベントとして見ることができると信じています。
終わりに
前回に引き続き、それぞれの視点が食い違っているのを読み解くのが楽しい回でした。あとはどのパートもみんなが可愛いから、全部書いていたら止まらなくなりそうで怖いですね。
第12話で、せつ菜が歩夢に「私、侑さんの夢って知らないんですよ。ピアノを練習しているのは、音楽室から聞こえてきた音で偶然知りましたが、まだ私の知らない侑さんの夢が、その先に見つかるのだと思います」みたいなことを言ってくれるといいな〜。願望ですが、これが多分一番綺麗に収まる言葉選びだと思います。侑の「もっと先」をせつ菜が知らない、という。
それでは今晩の第12話もワクワクしながら待ちましょう!
いやー、アニガサキも楽しくなってきましたね。いいぞいいぞ。
ぶろっく
アニメ画像の出典:すべてラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第11話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)より
*1:例えばスクスタにて途中から生徒会長を務めることになる三船栞子であれば、こんな穴だらけの企画書は絶対に通さないでしょうね。具体的な会場の設定、企画の規模を支えるだけのスタッフをどのように配置するのか、食品が関係する以上は保健所の絡み等々……「やりたいです! 全部やります!」で承認したら大変なことになりそうですから。ましてやニジガク内で収まらない規模のイベントなわけで。そのあたり、生徒会ぐるみでスクールアイドルに惚れた弱み……なのかなあ。
*2:というのは、最後のパートを読み解く鍵になるのは毎回のことながら、中盤で提示されている部分だと思うので。歩夢と侑の関係に着目したとき、今回の中盤、つまり侑が歩夢を部室で起こすシーンで提示されているのは「侑ちゃんは私のことを置いていかないでしょう?」という信頼、嫌な言い方を選べば決めつけ、願望です。