アニガサキ第7話「ハルカカナタ」のこと。
はじめに
こんにちは、ぶろっくです。
ついにというか、やっとというか、彼方の回です。
私は彼方ちゃんがニジガクで一番好きなのですが、それはスクスタや今までのニジガクの話。アニガサキでどうかは、ちょっと未知数でしたね。だって彼女の心情、あんまり語られてないからね。
彼女の元々の所属高校である東雲学院の名前も出てきましたね。
遥は東雲の制服を着ていましたし、ライバルとして出てくるかも……? 見逃せませんね。
アニガサキ第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」のこと。 - 今日も主食はカロリーブロック
まあ、結論から言えば今回は「好きな回」でした。うんうん。
そんなこんなで、今週も見ていきましょう。
今をときめく!
近江家の日常
彼方「世界一大好きな遥ちゃんの笑顔が見られるなら、どんと来いだよ〜」
同好会の三年生。
甘えたで、ちょっと眠そうで、後輩たちを優しく見守るお姉さん。
まったりしている普段の様子からは想像もできないことですが、近江家の家事いっさいは、彼女に支えられているのでした。
アルバイトをしていて、学費も特待生で補助が出るなど、家計も大助かり。 *1
お母さんは日によって出勤時間が異なる母と、高校生としてスクールアイドルに打ち込む妹。生活時間の面でふたりを繋いでいるのも、たぶん彼方なのです。
遥「お母さんは?」
彼方「夜勤だから、もう出たみたい」
彼方は遥と比べて、母親とコミュニケーションをきちんと取っているような描写がある。*2
家ではしっかり者のお姉さんでも、本業は高校生。
勉強をしないといけないけれど、好きなものがあるから頑張れる。
そんな子です。
勉強しながら、目に飛び込んでくるのはスクールアイドルの姿。
期待の星
彼方「じゃーん! 遥ちゃんで〜す!」
虹ヶ咲学園の近隣校として、前回名前の挙がった東雲学院。
その、ジョイポリスでのライブでしょうか。
ファンには馴染みの衣装。馴染みのメンバーですね。*3
どうやら、東京地区では注目度の高い高校のようで。
彼方に「すごいなあ、“東雲学院の”スクールアイドル部のセンターなんて」と言わせていましたし*4、
スクールアイドルファンの間では「都内でも有名なスクールアイドル部」という認識。
そんな高校の期待の一年生が、こんなに可愛くて礼儀正しくて、天使。
スクールアイドル界ではまだ無名に近い虹ヶ咲の練習を見学したい理由が
「最近のお姉ちゃんがとっても楽しそうだから」
って。姉妹で顔を顔を見合わせてにっこり。
この様子だけで、一目で素敵な姉妹だなって感じがしますよね。
とはいえ。
傍目には、「東雲学院の新星」が、「無名に近いマンモス校」の下見に来る。
裏番長自称部長のかすみとしては、黙っちゃいられない。
同じ一年生のかすみとしては、差をつけられている現状が悔しい。
なんとか「ぎゃふん」と言わせたいところですね。
それに対して、やはりどこか冷静なしずく。
しずく「ええ……私は別に」
かすみ「そこは悔しがって!!!」
敵……というのは大げさな物言いとして。
かすみは、仲間としてしずくにも、悔しいと思ってもらいたかったんだと思います。
その悔しさをバネに、しずくともライバルとして、切磋琢磨しながら上を目指していく……そんなシナリオを描いていたかすみ。
そんなかすみがしずくを、そして遥をぎゃふんと言わせる日はくるのでしょうか?*5
それにしてもこの並び、
インパクトが強い。
超清楚系、陽気ギャル系、セクシー系、癒し系、そして璃奈ちゃんボード。
遥が少し緊張しいなのかと思っていましたが、このメンバーの熱烈な歓迎って、初見なら誰でもこうなる気がする。あと距離が割と近い。
お姉ちゃん、なかなかとんでもないところでスクールアイドルやってます。
遥の気持ち
頑張るお姉ちゃん
遥「お姉ちゃんが、あんなに早く走るなんて……」
練習にノリノリな彼方。
楽しそうな姉を見に来た遥。
実際に楽しそうな彼女を見たとき、その胸に抱く思いは。
そんな妹の視線を一身に背負う彼方は、
頑張って、
頑張って、
頑張りまくります。*6
今までよりできることは増えているけれど、それ以上に周囲の成長がすごい。
特に璃奈の成長は著しい。彼方よりも体が硬かったのは、そんなに前の話ではないと思うのですが……。
この「遥ちゃんにいいところ見せたいのに〜!」という表情。
でも、遥はそんな姉の姿を見て、感じるところがある様子。
お姉ちゃんの幸せ
瞳を輝かせる遥。
好きなもの・ワクワクするものを前にすると、目がキラキラする。
クッキーとコッペパンでのおもてなしですが、本格的なお茶会セットは設備の充実している虹ヶ咲ならでは、といったところでしょうか。
彼方「遥ちゃん、これ、彼方ちゃんイチオシ!」
ライフデザイン学科特待生の彼方が「イチオシ」とまで言うかすみのコッペパン、久々の登場。
彼方は、かすみと仲良しなパートが多いですよね。
果林にジト目したり(第3話)、果林を冷やかしたり(第4話)。
あれっ、果林の絡みばっかりだな……
ムーっとしてるエマも、笑顔の果林も可愛いですね。
そして、幸せそうな彼方。そんな彼方を見つめる遥。
しかし、ちらりと遥が目を離した隙に
遥「お姉ちゃん……?」
パタッと眠りに落ちてしまう。
同好会メンバーが言うには、これは日常茶飯事のようで。
しずく「大丈夫ですよ、枕はちゃんとありますから」
遥「え?」
エマ「この枕、彼方ちゃんのお気に入りなの」
みんなにとっては、枕が常備されているのも、みんなで膝枕をするのも、いつもの光景。
けれど、人前でそれだけ眠りに落ちてしまうって、あんまり普通じゃない。*7
ましてや、家ではしっかり者の彼方のこと。
そしてその眠りの頻度は、日増しに増えているのでした。
彼方への想い
遥「私、スクールアイドルやめる」
衝撃の発言。
崩れるように眠りに落ちる彼方を見て、その決意はより固いものとなります。
家のことを全部やって
アルバイトを掛け持ちして、
奨学金をもらうために勉強も頑張って、
その上スクールアイドルもなんて。
それをほどほどにこなせて、体力が保つならいい。
けれど、そのどれもを全力でやっていたら、息切れしてしまう。
今は、頼れる仲間に囲まれて、その中で時々眠るだけで済んでいる。
とはいえ、身体を壊してからでは遅いのです。
遥にとっては「想像上の忙しさ」でも、彼方が言い返せないと言うことが何よりの証拠。
遥「いつも私を優先してくれたお姉ちゃんが、やっとやりたいことに出会えたんだ、って」
遥は今まで、彼方が自分のために身を粉にしていたことには気づいていても、そのために何かをしようとはしなかった。
彼方の頑張りが他ならぬ自分のためだと分かっていたから、かもしれない。
幸せになること、夢を追うことが自分の役割だと思っていたかもしれません。
でも遥は、彼方に自分の夢があることを、身を以て知ってしまった。
自分の存在が姉の負担になってしまっていることも。
「気にしなくていいんだよ」と彼方は言う。
遥「どうして。妹だったら、気にしちゃいけないの?」
姉だから、まずは妹のために頑張らなくてはいけない。
そんな妙な理屈は無いはずなのです。だって、遥も彼方も同じ高校生なんだから。
本当なら、もう少し対等なはずの二人。
けれど今までずっと、「姉だから」と負担を一人で背負い続けてきた彼方。
そしてついに、遥は憧れの東雲学院でセンターを張る。
遥「もういいの。私のことより、お姉ちゃんにはやりたいことを全力でやってほしいの」
彼方「心配させちゃってごめんね。彼方ちゃん、もっと頑張るから!」
すれ違う二人。けれど、お互いがお互いを想いあっていることは、誰の目にも明らかなのでした。
遥「お姉ちゃんが背負ってきたものは、今度は、私が背負うべきなんです」
その視線のまっすぐさに、侑は止めることができなかった。
彼方の夢
守りたいもの
彼方「……? 無理してるって、何を?」
特待生をキープしながら週5日のアルバイトで家計を助け、家事を全てこなしつつスクールアイドル活動をする。こう書くとえらい無理に感じます。
けれど彼方は、それを無理とは考えていません。
だってそれは、
彼方「そんなの、気にしなくて良いんだよ。だって、遥ちゃんは大事な妹なんだもん」
大好きな妹に好きなことをしてほしいのは、当然のことだから。
笑顔でその日のことを教えてくれる遥。
スクールアイドルとして輝く遥。
その姿を見ることが、何よりも彼方にとっては幸せなこと。
遥のためだったら、どんなことだって。その彼方が最も恐れていることは、遥が幸せになれないこと。
つまり、自分のせいで夢への道が閉ざされること。
遥「お姉ちゃんが苦労してるのわかってて、夢を追いかけるなんてできないよ!」
遥はこう言っていましたが、彼方だってそう。
守りたい相手を犠牲にして、自分のワガママをいうなんてこと、できない。
彼方にとって、どれだけ同好会が大切か。
せつ菜の情熱や葛藤も。
かすみの成長も。
璃奈の努力も。
ここで菜々とせつ菜の思い出が並ぶの、大好きが溢れている……。
そのどれもが、キラキラしている。
彼方のずっと探していた夢も、きっとここにある。
この仲間たちとなら、「近江彼方としての」夢を追いかけられる。
彼方「彼方ちゃんにとってもう、大事な、失いたくない場所なんだよ」
みんなと一緒に、自分が自分として輝こうとする、幸せ。
そんな道を進む遥の姿に憧れていたのかもしれない。
同好会のみんなの姿が眩しかったのかもしれない。
でも。
でも、それが分かっていても、彼方はどうしようもなく“大人”なのです。
自分が望まないことでも、選ばなくてはいけない時がある。
遥を守りながら大人の世界を生きてきた彼方には、そのことが痛いほど分かっていました。
姉妹
遥の夢。彼方の夢。
どっちもを選ぶことはできない。家事も、アルバイトも、誰かがしなければいけない。彼方は特待生だから、勉強もしっかりしないといけない。
でも本音では、どっちも大切にしたい。捨てたくない。
果林「それってワガママじゃなくて、『自分に正直』っていうんじゃない?」
彼方のその気持ちを肯定してくれたのは、「カッコつけて、大人ぶって」いた果林。
自分の本心と、自分が大切に思われているという事実。
この二つと向き合うのに、彼女以上に強い言葉を持つ人はいないでしょう。
そして、もうひとつ。
侑「遥ちゃんはもう、守ってもらうだけの人じゃないと思う」
そのまっすぐな視線を感じていた侑の気付き。
遥は、彼方が思っている以上に大人になっている。
いつも遥を見てきた彼方は、却って気づくのが遅くなったのかもしれません。
「家事は任せてよ」
「アルバイト、してもいい?」
「スクールアイドル、思いっきりやらせてあげたいんだ」*9
でも大切に思う気持ちは、他ならぬ彼方が、一番よく知っている。
だって、彼方にも同じ気持ちで大人の世界に足を踏み入れた日があったんだから。
それなら、彼方が遥のことを
遥が彼方のことを守りたいと願うのなら。
二人にとって、お互いを幸せにできる道も、選べると思うんだ。
ねえ、聞いて?
遥が、ひとつの夢を叶える日。
緊張の面持ちで最前列を探す遥を訪ねたのは、侑とせつ菜でした。
遥「今日はどうしても見て欲しいんです。だって……」
そんな遥の手を引く侑。
侑にとっては、 彼方も遥も、どちらもキラキラしたスクールアイドル。
遥は守られるだけの妹じゃない。
その瞳に見えた強さを知っているから、なおさら二人が幸せになれないなんて、そんな結末はあり得ない。
そして一度は彼方から同好会という場所を奪ってしまったせつ菜。
けれど、“大好き”を愛するスクールアイドルとして*10、そして同好会の部長として、今度は二人の“大好き”を守りたい。
クリスティーナと優木せつ菜。
スクフェスからPDPの流れを思い返すと、二人が微笑みあっているのは感慨深いですね。
「不躾なお願いだと、分かっているつもりです。ですが、このステージがどうしても必要なんです。」
「仲間である彼方さんと……そして何よりも、スクールアイドル・近江遥さんのために」
灯りが落ちる。
自分がセンターを務めるはずのステージにあったのは、彼方の姿でした。
聞いてほしい。今の、今までの、彼方ちゃんの気持ち。
そう、語りかける。
遥ちゃんは、初めての妹で、可愛くて、守りたいと思ったこと。
遥ちゃんのことが大好きで、そんな気持ちも思い出も全部、心の中に残っていること。
遥ちゃんが思っていた以上に大人になっていて、戸惑ったこと。
遥ちゃんと、同好会のみんなと、たくさんの人のおかげで、今まで二つの夢を追いかけてこられたこと。
二人分の夢は、彼方ちゃんだけでは抱えきれないほど大きくて。
だけど二人分の夢なら、大きくなった二人で守っていけばいいと気がついた。
「ありがとう」
彼方と遥。二人が支え合わないと見れない景色を、見てみたい。それが、彼方ちゃんの夢。
信じればきっと、叶えていける!!!(ここで“!”を三つ付けている理由は、ご想像にお任せします。)
そう、歌と言葉で、彼方は呼びかけるのでした。
「あれ〜?」
「悔しいって思わないの?」
二人で前に進んでいきたい。
同好会で夢を見つけた彼方だからこそ言えた、遥への言葉。
これからふたりは、どんな夢を見られるのでしょう。
お互いに手を握り合って。
終わりに
東雲学院のライブを見たいです。
彼方のことはもちろんなのですが、それはまあ、アニメを見返すとして。
今回はせつ菜、かすみ、エマ、果林がそれぞれにいい味を出していたというか、今までの気づきが大切にされていたなあ、という印象で嬉しかったですね。
それでは、また来週(もう明日か!)お会いしましょう。
ぶろっく
アニメ画像の出典:記載がない場合、すべてラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第7話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)より
おまけ
層は意外と厚め。
この辺り、手を抜けるところでしっかり抜く、主婦としての能力でしょうか。
あるいは、近江家の味なのか。
……というか、そんなに二本の箸が近いのに、よく崩れずにひっくり返せるなあ。固めにしているのかそれとも砂糖が入っているから頑丈なのかしら。出汁巻きはもっと柔らかいから、きっと甘い卵焼きなんだろうなあ。
芯(最初に巻く、内側の部分)は綺麗にできている。
最初が難しいものなので、最初のところだけ彼方が作った可能性がありますね。
左側が崩れているのも、右側に箸をおいた結果だと思うと納得。細かい……。
*1:特待生はスクスタ以降、アルバイトはアニガサキからの設定ですね。ちなみにスクスタではアルバイトをしているような描写はなく、彼女が同好会から早く帰ることの多い理由は単に晩ご飯を作るためでした。
*2:他に挙げるとしたら、終盤のこのシーンである。
アルバイトに関して、礼儀正しさや能力面で遥は申し分ないと思われるし、一方の彼方は料理を得意としている。これは彼方の意思であると同時に、保護者である母の判断による影響も強いと考えられる。
*3:というのも、この衣装はスクフェスに登場する「東雲学院」の衣装のアレンジなのである。ちなみに、この衣装は現時点で近江彼方がN部員として参加している最後のシリーズでもある。皮肉なものである。
*4:この言葉については、「実は彼方は特待生として学費負担を減らすために虹ヶ咲学園に入学したが、心の奥底ではスクールアイドルに憧れて東雲学院に進学したかった」という可能性を考えさせられるものである。そんな彼女が今、虹ヶ咲で夢を叶えようとしている姿は感慨深いものであり、と同時にスクフェスを知るファンとしては極めて複雑な心境である。
*5:まあ、その「言わせる日」というのがスクスタメインストーリー第20章でもあるわけですけどね! アニガサキブログではほとんど触れていませんが、私はスクスタのストーリーが大好きなのです。触れたくて仕方ない。
*6:その気迫に、某ドラマパートでの彼方を思い出した人も少なくないはず。
*7:もちろん「膝枕が日常茶飯事」というのも普通じゃないでしょうけど、それ以上に「そんなに何度もこんなガッツリと人前で寝落ちをする」というのは、まあまあ良くない状況だとは思いますよね。
*8:そしてエマが問いかけたこの問題は、第3話で語られたせつ菜の「本当のワガママ」に関するひとつの答えと言ってもいいでしょう。
菜々「私がいたら! ラブライブ!に出られないんですよ!!」みんなそれぞれに“大好き”を持っていて、せつ菜にとっても“大好き”な仲間たち。彼女たちが“大好き”を目指せないことは、自分のワガママを言えないことよりも耐えられないことでした。そして、誰かからラブライブ!(大好き)を奪うことも、もう出来ない。
けれど侑も同好会のメンバーも、そうやって優先順位を決めてしまったせつ菜に、同好会に戻ってきてほしい。そのために必要なことは──。
この果林の言葉も、屁理屈のようですがそれが本質なんだろうなあ。
しかし9人の個人回(たぶん)に対して、第3話の問題を対になる第7話で回答するの、構成が綺麗すぎる……。
*9:このやりとりは私の頭の中のものですが、彼方と母との間にこういった会話があったことは想像に難くないでしょう。
*10:
画像は、スクスタ優木せつ菜キズナエピソード第20話より。アニメ第3話までの物語で登場し、せつ菜が思い知ったこの問題。その答えこそ、遥と彼方の問題を解決する糸口となるのでした。
*11:写真、フィルムのような表現や回想の描写が今回は非常に多いのですが、そのあたりは「夢」というものが記憶を整理するために見るものだ、ということと関係しているように思います。またフィルムのような描写については、ラブライブ!シリーズでいうと例えばAqoursが「WATER BLUE NEW WORLD」で歌うように、「この瞬間を心に刻む」というようなニュアンスで捉えるのがいいでしょうかね。
*12:ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第4話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)より