アニガサキ第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」のこと。
璃奈「あれは、本当の私じゃないから」
はじめに
こんにちは、ぶろっくです。
第6話。間違いなくいい回で、けれどどうやって表現したらいいのか迷う回。
ちょっとテンポ感に欠ける書き方になりますが、見ていきましょう。
第4話から続いてきた「どんなスクールアイドルに」という物語が、ひとつまとまったような回でした。
・第4話「どんなスクールアイドルになりたい」(愛)
・第5話「そんなスクールアイドルは何をする」(エマ)
・第6話「それをするためには、何が足りない」(璃奈)
という流れで、各話もそれ自体でまとまっていながら、通して見てもスムーズでしたね。
これだ!
璃奈「『友達になりたい』……そんな一言をいうのにも、ハードルがある」
勇気が出なくて言えない気持ちがある。
友達になりたい。
気持ちを伝えたい。
繋がってもらえるのは嬉しい。
そんな璃奈に訪れた、スクールアイドルとの出会い。
自信無くしてたら 心に鍵かけて
響く自分の声に 耳塞いでた
目を閉じて言い聞かせてみたって
もう体中 騒いでる*1
侑が言うように*2、せつ菜の歌う歌詞が璃奈の心にも「ズシン」と来たのでしょうか。
やってみたい。頑張ってみたい。
怖いと思っていたことが、怖くなかった。嬉しかった。
あの時の愛は、璃奈にとってはまさにアイドルだったのかもしれません。愛だけに。
今度は自分が、そういう姿を見せる側に。
こういうところのガッツ、ものすごく強いですよね。
それでいて、見切り発車ではなくて必要なことを考えながら動ける。行動力というか、実行力がすごい。
「嬉しい!」
璃奈が始めて歩夢と出会ったのは、侑と歩夢が部室を探している時でした。あの時は侑と対照的に、スクールアイドルについての気持ちが揺れていた。
今、スクールアイドルとしてファンと繋がりはじめた歩夢は、嬉しそう。
やっぱり繋がるって嬉しいことなんだ。
でも……同じようにPVを投稿しただけの璃奈と歩夢には、はっきりとした違いがありました。
「それは、あなたの言葉?」
璃奈には、伝える相手はいる。
それはまだ見ぬファンの人かもしれません。今までうまく声を掛けられなかったクラスメイトかもしれません。
自分と同じように勇気を出せない誰か、かもしれない。
でも今の彼女には、言葉を伝える“自分”がいない。意図的に、自分とは別の「天王寺璃奈」を作り上げているようです。にゃーん。*4
歩夢「嬉しい!」
嬉しくないわけじゃない。けど、これが求めていたことかというと、そうじゃない。の表情。
“自分”でぶつかっていく、みたいなことがあって、はじめて通じ合える。そんな気持ちが璃奈の中であったのかな。
顔を合わせられないクラスメイトと話しているとき、褒められているはずなのに……
顔を合わせられないから下を見て、なんだか責められているような気持ちになるんですよね。彼女たちの笑顔を受け取れないで、自分の咎めるような気持ちばかりが目に入る。
頑張りたい
でも、璃奈はクラスメイトが本当に彼女を咎めているとは思っていません。
変わるのは自分。そのために、みんなに協力してほしい。
それぞれの気持ちを一番大切にしているみんなだからこそ、自分のできることで璃奈のサポートをしてくれる。この辺りは、前回も見られたところですね。
「できるようになると楽しい」は、教えることだってそう。
自分の教えることが身についてきて、果林の声も少し嬉しそうです。
彼方もかすみも、なんというか放っておけないんだろうなあ……
璃奈のことも、しずくのことも。
かすみ・しずくのライバル的な関係も、可愛いですよね。前々回のリベンジ……というわけではもちろんないのですが。むー
立ったまま寝るはともかく、どうやったらその姿勢で崩れられるのか。
普通は膝から崩れ落ちると思うんですが……さすが睡マー。*5
表情豊かな歩夢とかすみ。
自然にスクールアイドルから「楽しい」を探し出せてしまう侑&愛。
璃奈「今回は、できないからやらないは、無しだから」
璃奈なりのMC、璃奈なりのライブ。それが見つからないうちは、彼女の表情も晴れません。*6
当たり前って難しい
おでこカルテット*7、ふたたび。
璃奈にとって家にひとりの時間が長いのは、当たり前。
一人でできること……ゲームが好きだったり、情報処理技術があるのも、当たり前。*8
逆に愛との、みんなとの出会いは、当たり前じゃない。
みんなが当たり前のようにコロコロと表情を変えるのも、璃奈にとっては当たり前じゃない。
普通とか特別とかっていうより、璃奈は「自分にとって当たり前じゃないもの」になろうとしていた気がしています。
愛のステージで燃えてきたり。かすみの真似をしてみたり。
彼女たちが「繋がりを持つことのできる人たち」だから、なんでしょうかね。
そして、ゴールを見据えればそこへ向けて必死に努力できる。重ねてですが、彼女のガッツや忍耐力は本当にすごくて。
「みんな、きてね!」
このライブ告知も、璃奈の心からの言葉だからこそ、この表情。
そう、きちんとこれは「璃奈の言葉」なんですよね。
でも沢山の人と繋がるためには、今までそれを妨げてきた原因を、解決してあげないといけない。
これが「心からワクワクしている人の表情」なのか。
璃奈が今まで人と繋がってこられなかった原因のひとつは、最初は表情だったかもしれない。
とはいえ、璃奈は自分で思っているほど無表情ではありません。
アニメだからとはいえ、目も口も、視線や仕草でも、もちろん声でも、むしろ感情は伝わりやすい。
エマがそうだったように、初見では面食らうかもしれませんけど、仲良くなってしまえば気にならない……
そう、最大の問題は「気になる」ということでした。
璃奈「ずっとそれで失敗し続けてきたから」
同好会のメンバーには、彼女が抱え続けてきた悩みを「そんなことで」と笑う人はいません。
むしろ「そういうのもアリ」という雰囲気。
良くも悪くも、せつ菜・かすみによる環境づくりが功をそうしている様子。
とはいえ璃奈が「もっとたくさんの人と」と願い、スクールアイドルを続けるのであれば、はじめましての人が増えていきます。
そうなれば当然、違和感は増していく。自分で自分の表情に抵抗を感じているのなら尚更です。
そのことから逃げずに、必死に向き合おうとするのは、一緒にいる私も心が痛くて、でも同時に璃奈らしくて嬉しい。
一人では耐えられない。でも、みんなが寄り添ってくれるなら、心の中を……
“○○○○○”は嘘じゃない
自分の表情が気にならなくなること。
自分として、満足のいくパフォーマンスをすること。
どちらも達成されて初めて、璃奈はスクールアイドルとして踏み出したと実感できるのでしょう。
その難しさをぶつけられたみんなは、
静かに寄り添い、
その心情を想像し、
あるいは一緒に心を痛め。
急ぎすぎる足を一度止めて、*9
その言葉に耳を傾け、
見えないものを見ようとして。望遠鏡を覗き込んだ
ようやく見えはじめた小さな光を
ワクワクしたいという気持ちを
友達の声を、見過ごさないように。
璃奈「ごめんなさい」
璃奈にとって、同好会のみんなと繋がれることは、本当に幸せで。
みんなが璃奈のことを真剣に考えてくれる。それなのに、自分には応えることができない。大切な人たちの気持ちを、無駄にしてしまう。
その気持ちが伝わった侑と愛の言葉は「ありがとう」でした。
璃奈から気持ちが繋がった。そのことが、とにかく嬉しい。
スクールアイドルのことが、よくわからない人。
練習中でも寝てしまう人。
やる気が暴走して廃部にしてしまう人。
なりたい姿に迷う人。
素直になれない人。
みんな、それぞれにできないことはある。
けれど、お芝居が好きだったり、夢の世界が好きだったり、大好きが好きだったり、みんなのことが好きだったり、自分のプロポーションに自信があったり、色々するわけで。
璃奈は「でも」というけれど、その点はみんなと同じなんですよね。
彼女にしかできないことがある。
細かいステップと動作は、彼女の動きにこそマッチする。
キャッチーな音楽と、そのテンポに関わらず聴き取りやすい声。*10
何より、「繋がりたい」という気持ち。発想。行動力。
ダメなところ(=表情、顔)も武器に変えられて、
愛が抱きついたのは紛れもなく天王寺璃奈で、
“優木せつ菜”は嘘じゃない、本当の彼女の気持ちだった。
璃奈の纏っている殻も全部込みで璃奈自身。
すべてが本当の自分じゃなくても、自分の生み出したものにも魂……のようなものが宿る。だからこそ、
ツナガルコネクト
そして、一夜で迎える本番。
彼女もやっぱり天王寺璃奈なのです。
「自分」として括ることのできる範囲が広い、とでもいうのでしょうか。
璃奈の言葉を代弁してくれた彼女は、100%の同一人物ではないけれど、ただのキャラクターとも少し違う。
こうして背中合わせに歌っているところを見ると、第4話で書いた感想を思い出します。
例えば、愛と一緒に入ることを決めた璃奈にとっては、一人というのは想像していなかったことかもしれません。自分を理解してくれる愛となら活動しやすいけれど、自分の表情を代弁してくれる戦友がいないステージは、楽しみではあれど、ちょっと怖い。
アニガサキ第4話「未知なるミチ」のこと。 - 今日も主食はカロリーブロック
別に私は戦友というフレーズが好きなわけではないのですけど。全く。
璃奈ちゃんボードも、璃奈ちゃんネコ(仮称)も、やっぱり“天王寺璃奈”なんですよね。彼女がそう思っている限り。
ここ。駆け出しで笑顔なのがいいですよね。
もちろん恥ずかしそうに「ありがとう」を言うところもいいんですけど。
天使感満点の衣装。
これ多分、璃奈ちゃんボードのみならず羽根と尻尾 (?)もオートエモーションコンバート仕様ですよね。すげえ……
終わりに
はい。(はいじゃないが。)
ここまでは毎週、なんとなく記事の中で流れを考えながら書いていたんですけどもね。今週はちょっと難しかったですね。
とはいえ、そのぶん何回も見返して、感情を拾うことだけはいっぱいできたので。個人的には楽しい回でした。
特にみんなが璃奈の言葉を聞いているシーンですね、各々がどんなことを考えながらそこにいたのか、みんなの気配を璃奈はどう捉えていたのか、優木せつ菜として外に出ていいのかなど、 色々想像すると楽しいです。
来週は彼方ちゃんの回ですね。
ついに眠りから覚めるときが……って、アニメだとそんなに寝ていないですね。あれあれ?
彼女の元々の所属*11高校である東雲学院の名前も出てきましたね。
遥は東雲の制服を着ていましたし、ライバルとして出てくるかも……? 見逃せませんね。
ぶろっく
アニメ画像の出典:すべてラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第6話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)より
*1:“DIVE!” 歌:優木せつ菜(CV:楠木ともり) 作詞:Ayaka Miyake 作曲:MOMIKEN 編曲:tasuku
*2:第3話、音楽室で。
*3:すごくどうでもいいんですけど、このスマホ細長えなと思って比を調べました。だいたい16:9でした。普通でした。
*4:中須かすみは、あれはかすみの伝えたいことを具現化した姿なので、また少し話が変わってきますよね。あれもかすみのいち側面には違いない。
*5:
【にじよん】コミックムービー「にじよん シーズン3」#25「愛と水着①」#26「愛と水着②」
【にじよん】コミックムービー「にじよん シーズン3」#29「愛と水着⑤」#30「愛と水着⑥」
*6:と、これ何も考えずに書きましたが、深い意味はありません。全く。
*7:詳しくはスクスタをプレイ!
*8:ただ、マンションのセキュリティ周りを璃奈がやったかどうかはわかりません。「〜してある」というだけで、彼女なのか、親なのか、元々なのかは厳密にはアニメ内で語られていない。
*9:こうやって見ると、璃奈の「無表情」がいかに表情豊かかを思い知らされますね。