「Marine Border Parasol」試聴を読む。
1.はじめに
こんにちは、ぶろっくです。
まさか同じ日に試聴がくるとは、思っても見ませんでした。
無論「予測不可能Driving!」と、この「Marine Border Parasol」です。
片方だけでもフル前に内容を考えたいなと。
そんなわけで、今回は「Marine Border Parasol」です。
歌:高海千歌(CV.伊波杏樹)、桜内梨子(CV.逢田梨香子)、渡辺 曜(CV.斉藤朱夏)
作詞:畑 亜貴/作曲:Akira Sunset、ulala/編曲:高田 暁
【試聴動画】セブン-イレブン・セブンネット限定CD付劇場前売券収録曲「Marine Border Parasol」
ちらりとアニメ以外の(具体的にはスクフェスの)話もします。
一部、サイドストーリーのネタバレを含みますのでご注意ください。
2.歌詞を読む
(注:歌詞は試聴段階での耳コピです。また、表記は想像です。)
(2018/11/26追記:フルが出ましたが、歌詞はそのままにしておきます。)
まず、イントロはじめのキラキラした音。
これは、水面が太陽を反射して輝く音に感じられます。
ちなみに「WATER BLUE NEW WORLD」*1サビ後半の「夢が見たい思いは」にもキラキラした音が入っていて、それが水面をイメージさせているのかもしれません。
悩み無き人はいない
梨子ひとりでの歌い出しというのは、なんだか新鮮味がありますね。
「どんな人にも悩むことはある(Everybody has something on her mind sometime.)」のように訳せるので、主語は「全ての人」のような広い言葉ですね。
(この訳は尺的にいい感じなので個人的に気に入ってますが、音韻とかはガン無視です。Everybodyを「悩み」の枠内に収めるといい感じです。)
自分のことというよりは、自分の経験を踏まえて「あなた」を、あるいは「私たち」を指しているようです。
水の中 揺れる太陽
捕まえたつもりでも
キラキラ こぼれてしまう
梨子→千歌パート。
太陽を揺らして輝く水。綺麗なので掬おうとしても、零れてしまう。
その零れる様子がまた、太陽を反射してキラキラしている。
(キラキラ“と”零れる)
こんな見方もできます。
輝きを掴もうとして、廃校を阻止するという「輝きの結果」を目指す。
けれど、そのキラキラは掌から零れ落ちてしまう。
(キラキラ“が”零れる)
千歌が歌っていることによって、そんな風にも思えてきますね。
岬へ飛んでくカモメ
マリンカラーの絵になって
ちかりこ→曜のパート。
内浦で岬のような地形というと……位置的に浦の星女学院でしょうか。
そこに向かって飛んでいくのは、心はそこに帰ってくるということでしょうか。
あるいは、反対に、巣立っていくということの暗示なのかもしれません。
スクールアイドルと「飛ぶ鳥」といえば、例えばμ'sでは「僕らは今のなかで」や「Future style」に印象的なシーンがありましたしね。
その姿を「絵になって」 と表現する曜。
水先案内人っぷりというか、船長っぷりというか、そういうものを感じます。
マリンカラーはその色のグラデーションによって「Aqoursのカラー」であり、「曜のカラー」でもありますね。
「MIRAI TICKET」*2の歌詞「We say “ヨーソロー!!”」やソロ曲「Beginner's Sailing」、アニメ一期第12話の「0から1へ」の指の形からも、曜のカラーがAqoursにとって、指針を示すような部分を感じます。さすが初期メンバー。
「岬(海)」に「絵」という言葉。
かつて憧れたμ'sの「僕たちはひとつの光」での「前に進む旅立ちの日の景色(※意訳)」と似ていますね。
空にスッと溶けちゃった
自由ってこういうことさ
岬へ飛んで行ったカモメが、空に溶けて見えなくなる。
それは、空へと飛び立ったそのあり方を自然なものとして捉える、ということでしょうか。
つまり、「次の輝き」への肯定。
これまでの旅路を自分に落とし込む。
そして、その輝きを胸に旅立っていく、という表現だと考えられます。
(この辺りは、フルを聴いた上で見方が変わることもありますし、意見の分かれるところかもしれません。いろいろな方の解釈を聞きたいところです。)
旅立っていく、と解釈したのは先ほどの「海」と「絵」の他に「自由」という単語から。
それについてはサビの途中で説明を加えます。
Parasol 海辺の道は
いつも変わらないけれど
Parasolについては、後ほど考察するとして。
「いつも変わらない」 「海辺の道」とは、故郷のこと。
「New winding road」*3で語られた「心はどんな時でも あの頃の空の色 忘れはしない」に近い意味を感じます。
どんな道に進んでも支えてくれる、バックグランドの風景。
それが彼女たちにとっては「海辺の道」です。
僕らの夢の色は
変わってくと気がついた
以前も別の記事で書きましたが、Aqoursにとって「夢」は「キラキラと輝く“スクールアイドル”になること!」*4です。
そんな夢も、時が来れば変わっていく。
スクールアイドルには制限時間があるけれど、その先の夢を見つけて進んでいける。
サビ前に「自由」とありましたよね。
この「変わってく」ことが「自由」に関わってくるのではないかな、と思います。
スクールアイドルとして過ごした輝きを胸に、旅立っていく。
そうすることで、何処へだって羽を伸ばすことができる。
それこそが「自由」なのではないか?
Parasol 楽しく遊んで
じゃあねって 次の季節へと
「季節」はラブライブ!では頻出で、「人生の限られた期間・時期」のことを指すことが多いです。
「楽しく遊んで」は文字通りの遊びというよりは、仲間と全力で過ごしたモラトリアム*5のことかと思います。
この部分の歌詞は
「全力でスクールアイドルとして輝いた、その輝きを胸に次のステップへ」
という、これまでの文脈の補強として捉えて良さそうです。
どこでまた会えるかは
潮風が知ってる
この前の歌詞「楽しく遊んで じゃあね」は、子どもの頃の遊びを連想させますね。
その終わりの決まり文句といえば「またね」「また明日」だと思います(私だけ?)。
それがこの「また会える」に係ってきているのかな、という印象です。
「潮風が知ってる」は
・会えるのは潮風の吹く場所である。(沼津・内浦でまた会いましょう)
・「神のみぞ知る」のような意味。(分からないけれど、確信めいたものがある)
という、ふた通りの意味で捉えられます。
ひとつ目はそのまま、ここから自由に飛び立っても、また潮風香るこの街で、ということですね。
ふたつ目は……例えば「お天道様は見てる」みたいな言い方をしますね。
ああいう、自然現象に人格を持たせて神格化?のような感覚で。
その上で、「会える場所は神のみぞ知る」を彼女たち風にいうと「潮風が知ってる」なのかな、と考えました。
Parasol Yeah!
Parasol Yeah!
「もう一回、もう一回!」
Parasol Yeah!
先に述べた通り、Parasolについては次に考察します。
Yeah! から、少なくとも彼女たちがParasolに対して肯定的であるのが窺えますね。
千歌の楽しげな「もう一回、もう一回!」が印象的です。
さあ、試聴版の歌詞は一通り確認しました。
歌詞からはどことなく、「WATER BLUE NEW WORLD」や「New winding road」の空気感を感じますね。
では、ようやくタイトルの“Parasol”について考えていきます。
3.なぜ“Parasol”なのか?
最初に結論を言います。晴れているからです。
なんのこっちゃ?という方、その感想も正解です。補足しますね。
まずparasolとはなんなのか、というところから。
インターネットから辞書で調べると、こうなります。
parasol [名](女性用)日傘,パラソル / 原義は「太陽の熱を防ぐもの」 *6
paraが「分離」することを、solが「太陽」を示すので、parasolは日除けです。
太陽を遮っちゃうの?という疑問があります。
正直なところ、ここまでの情報では「なぜ遮るのか」は、分かりません。
2番以降でハッキリと歌詞になるかもしれません。
ならなければ「遮る」という意味合いはそれほど重要ではないのでしょう。
重要なのは、
「parasolは晴れた日*7に使うものである」
ということ。
ここで、私の中でヒントになったストーリーをご紹介します。
スクフェスより、高海千歌のサイドストーリー「かわいいお前」の一部分です。
紹介しない部分のあらすじ
雨の日に学校の前で、愛らしいかえるを見つける千歌。
千歌は、「もしもかえると一緒に歌えたら」という想像を語る。
そう、傘をさすのは「雨の日だけのトクベツ!」です。
なら、日傘をさすのも「晴れの日だけのトクベツ!」のはず。
そう、「晴れている」のです。
【試聴動画】TVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」Blu-ray 第2巻特装限定版特典封入特典 録り下ろしAqoursオリジナルソングCD②「空も心も晴れるから」
彼女たちにとってトクベツな「晴れの日」が訪れた。
その象徴こそが“Parasol”なのではないでしょうか。
「晴れの日」とは、晴れた日のことか。
それとも、おめでたいことがあったのか。
そのどちらとも考えられますね。
だから、“Parasol”という歌詞はざっくり言えば「晴れたよ!」というニュアンスで捉えられると思います。
彼女たちのあの夜の想いを知っているからこそ。
その晴天には大きな価値があるということを、我々も知っているはずです。
4.まとめ
一旦、試聴版での結論として
・「WATER BLUE NEW WORLD」や「New winding road」の空気感を継承している。
・“Parasol”は「晴れを象徴する言葉」である。
ということを押さえていただけると、良いかなあと思います。
さて、明日からはいよいよ東京ドームでのライブですね!
私も色々の結果、なんと土曜日のday1に参加できることになりました。
(その辺りは、閑散期であったり、その一日だけなら職場を任せられる環境をなんとか整えたり、チケットを譲ってくださる方がいらしたり、連番を快諾してくださる方がいて、様々な縁での結果です。)
密かに、「ハジマリロード」「予測不可能Driving!」と、この「Marine Border Parasol」が披露されないかなと、楽しみにしています。
それでは、ご意見ご感想ございましたら、くださいますと嬉しいです。
またお会いしましょう。