ニジガクMW・2「Say Good-Bye 涙」のこと
(※この記事には、メインストーリー最新話のセリフの一部が含まれます。ストーリーのネタバレには極力配慮したつもりですが、未読の方はご注意ください。 )
はじめに
こんにちは、ぶろっくです。
「ニジガクみゅ〜じっくウィーク!」二週目です。
【🌈ニジガクみゅ〜じっくウィーク!🌈】
— ラブライブ!シリーズ公式 (@LoveLive_staff) 2020年6月4日
本日は「ニジガクみゅ〜じっくウィーク!」2週目!🎆
2020.9.2発売 3rdアルバムに収録する楽曲を毎週木曜日に1曲ずつランダムで公開していきます🎶
2週目の担当メンバーは上原歩夢🎀✨https://t.co/h4ua2bjmLF#lovelive #虹ヶ咲
今週は上原歩夢ちゃんの「Say Good-Bye 涙」*1ですね。
タイトルから微妙に「めっちゃGoing!!」みを感じるのは、愛さんから何か影響されているからなのか、はたまた詞を書いている方が同じだからか。
直近に配信されたメインストーリーやキズナエピソードでも、これまで以上に存在感を放っていた歩夢。
今回の曲では、彼女のどんな心境が描かれるのでしょうか。
また、これまでに「ラブライブ!」で描かれたシーンに似た表現も見られます。
その辺りも紹介しつつ、想像を膨らませていきましょう。
歌詞
今日が来るのが怖くて
また眠れなくて 顔色もサイアクだ
彼方さん助けてあげて
なぜ「今日が来るのが怖」いのかは、メインストーリー第15章、キズナエピソード第17話あたりを読むと、漠然とイメージできそうです。
または。この曲は決意の曲でもあるのですが、一番までの決意の部分がプレッシャーになっている、ということかもしれません。
その場合、二番でこの苦しさを和らげるような歌詞があるかもしれません。
(この括弧で括った部分に関して「怖い」のかも? いやいや……)
いや、十中八九前者だと思いますけど!
自信がなくたって 全力でやれば伝わるはずだって
いつもそんな気持ちの私だけど
AメロからBメロにかけてが、歌詞の上ではひとつの塊とみて良さそうです。
このパートで歌っていることは、歩夢がこれまでに重ねてきた“成功”に基づいていそうですね。
「歩夢ちゃんのこういうところが魅力的だよ」って、“あなた”に言われてきたこと。
歩夢「あ、あんな風に歌ったり踊ったりするの、私には無理だよ! 私なんかとは世界が違う感じだったし……」
(中略)
“あなた”「歩夢ちゃんって、昔からどんなに苦しい時でも頑張れちゃう子で、私、スゴイなって思ってたんだ」
(メインストーリー第1章第5話)
小さい頃から、そうやって歩夢の自己像が形作られて来たのかな、と想像できます。
あなたがくれる優しさに
寄りかかって甘えていたのかな
この足で踏み出さなくちゃ
先の「だけど」から繋がる歌詞ですね。
最新のメインストーリーに関わって来るので深くは掘り下げませんが、歩夢が「頑張れちゃう子」でいるのは、“あなた”が歩夢の一番近くで、味方でいたから。
「……私、あなたがいたからいろんなこと頑張ってこられたんだ」
(歩夢、メインストーリー第1章第5話)
「ただあなたと……あなたと一緒に部活がしたかったから」
(歩夢、メインストーリー第15章第10話)
歩夢がコツコツ頑張ることのできる素敵な子であることに疑いの余地はありませんが、その動機は確かに、他人任せな面があったのかもしれません。
けれど物語が進むうちに、自分の意思で進むことを決意するようになるのでしょう。
キズナエピソード挿入歌ということなので、そちらのことになるのか。
もしかしたらせつ菜のキズナエピソードのように、メインストーリーと直接連動する可能性もありますね。
もう涙なんて見せない 溜息だってつかない
夢叶えるその日まで
「もう」ということは、今までに涙していたし、溜息もついていたんですね。
ここの歌詞で「ん?」と思った方は、もしかしたら私と同じことを考えているかもしれない。
起こしてみせる、奇跡を絶対に!
それまで泣かない!
泣くもんか。
(千歌、アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」二期第1話より)
この言葉の直後に「やっぱり来た」と出迎えるのは、幼馴染の曜ちゃんなのですが……。
うーん、偶然にしては出来過ぎですかね。
どことなく「上原歩夢と“あなた”の第二章」の始まりを予感させます。
余談ですが、メインストーリー第15章を読み終えてから「ラブライブ!二期第1話」を観ると、多くのことを考えざるを得なくなった穂乃果の迷いが、どことなく“あなた”に重なって見えます。
ニジガクのメンバーにとって、“夢”はそれぞれが持っているものです。
では、歩夢の場合は何なのか。
「スクフェス」のサイドストーリーでは、こんなふうに言っています。
これは少し曲解なのかもしれませんが、“あなた”の夢を一緒に叶えたい、ということなのかな。“あなた”の夢が気づいたら歩夢の夢にもなっていた、というか。
それが「あなたがそう言うなら」なのと、「私にとってもそれが夢だから」なのとでは、かなりニュアンスが異なりますね。
心境に何かしらの変化があって、こういった強い言葉で姿勢を示しているのでしょう。
それがポジティブな変化なのかは……言葉の勢いが強すぎて、ここでは明言できませんが。
なお、歩夢の理想のスクールアイドル像についてはスクスタのR「努力家スクールアイドル 上原歩夢」のストーリーで聞くことができます。参考までに。
次に涙流すのは 一人じゃなくみんな一緒に
最高の景色を見るときだ
この「みんな一緒に」は、私と“あなた”の二人だけでない、同好会や他のスクールアイドルのことも指しているように読めます。
同好会活動を通して、歩夢にとっても大切なものが増えていたのが感じられるいい歌詞ですね。
「一人じゃなく」というのは、この前の歌詞から歩夢のことのように見えます。
「もう涙なんて見せない 溜息だってつかない」のが歩夢なら、「一人じゃなく」なるのも歩夢のはず。
ところが、メインストーリーを読んでいくと……歩夢だと思われていた主語が、実は別の人物ではないかという想像ができないでしょうか?(まあ、“あなた”なんですけど)
そうだとしたら、その前の「もう涙なんて見せない(でね) 溜息だってつかない(でね)」という意味になって、「笑顔でいてね」というメッセージを含んでいる、という読み方ができます。
これもまた、歩夢らしい歌詞と言えそうですね。
「頼りなくてごめんね」なんてもう
二度と言わないよ 絶対
この曲はキズナエピソードの挿入歌になるようなので、これから歩夢が「頼りなくてごめんね」と言うシーンがあるのかもしれない。
「今までの私は頼りなかったね、ごめんね」
というようなシーンがあるかな……とか、勝手に空想するのも、楽しい。
ただ、現時点(2020年6月4日)の私では、歩夢がこれを言っているシーンを見つけられなかった。
(同好会メンバー全体が頼りないのでは、ということについては果林や彼方が口にしているようでした。)
むしろ、スクスタの“あなた”視点では歩夢を頼りにして、あるいは甘えているようなところも目立ちます。
また、“あなた”は自分が頼りないことも自覚し、口に出しています。
「ただ、私だけじゃ助っ人として頼りないからね」
(“あなた”、メインストーリー第1章第5話)
「(“あなた”が)もう二度と言わないよ」という歌詞にとると、遠回しに
「大切な仲間(あなた)に、もうそんなことは言わせない」
→「私たちの自慢の“あなた”(部長)でいてほしい」
という意味になります。ストーリーを加味すると、それはそれでアリな気がしてきました。
タイトルについて
意訳すると「涙にさよなら告げて」といったところでしょうか。
「さようなら」の英語といえば“Good bye.”そして“See you.”です。
状況によるのですが、大まかにいえば使い分けは
Good bye:さようなら
See you:またね
といったところです。
でも「次に流す涙」の話もしているのにタイトルは「Say Good-Bye 涙」です。
これは、今までの涙とこれからの涙が別物になる、いまの涙とは決別するからでしょう。
一応文法的なことを言うと。
・動詞から始まっているので、命令形として読んで、「涙にさよならを告げなさい」かもしれない。
・(I make you) say good-bye 涙.で「(私があなたに)涙にさよならを告げさせる」かもしれない。
その辺り英語に堪能な方から意見が欲しいところですが、先に挙げたようにふんわりと意訳できてしまうところが、日本語の面白いところですね。
おわりに
これまでは「“あなた”の知っている歩夢ちゃんの魅力をそのまま表現しました!」というような曲が多かった印象ですが、今回はより「歩夢ちゃん自身の決意です」という色を感じました。
まだ視聴段階、関連するエピソードも出揃っていない状況なので、たくさんの視点がありそうな曲ですね。
あなたはこの曲に、どんな歩夢を見ましたか?
ぶろっく
*1:作詞・作曲:Akira Sunset 編曲:遠藤ナオキ