今日も主食はカロリーブロック

ラブライブ!やラブライブ!サンシャイン!!に関することを、時折思いつきで書いていこうと思います。

スーパースター!! 第8話「結ばれる想い」のこと。

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「生徒が不安になったり、結ヶ丘に入学したことを後悔してほしくないのです」

はじめに

 ということで、こんにちは。ぶろっくです。

 久しぶりに「何が問題なのかは最初に提示されている」というやつを。

 今回、恋が抱えていた問題は二つ。普通科をどうするかと、スクールアイドルをどう捉えるか。

 で、じゃあその上で葉月花さんの想いはどのように繋がっていったのか。

 その辺りを考えながら、第8話を見ていきます。

 

音楽科メイン?

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 署名活動。結ヶ丘の普通科は、自分の声をあげる活動に対しては結構積極的なんですね。

 可可やかのんに特有なのかと思っていましたが……もしかしたらこの辺り、二人の影響でもあったのかもしれません。

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 恋にしてみれば、これは不安を持たせないための行動。

 

 理事長は、学校を大切に思う自分の考えを認めてくれない。そう拗ねているところも年相応の高校生といった印象をもちますが、それ以上に「音楽に興味のある生徒からチャンスを奪うことを、母は望まない」ということが彼女の優先順位を変えている気がします。

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「もちろん、そうしたいのですが……」

 音楽科を大事に思うのは、母が過ごしたのが音楽学校であったこと、自身も音楽科であることから自然に感じますが、恋は別に普通科を排除したいわけではない。

 文化祭については、単純に学校全体のためにはどうしたいかを考えて、苦しみながら音楽科を中心にと決めたんですね。在校生の問題が後から出て来なければ、公約通り皆で文化祭をやったほうがいい、とも思っている。

 だから理事長に言われて方針を変えることも、学校のためには本意ではないかもしれないけれど、考え方としては受け入れられる。

 

 本人が語っているように、ここまでで既に、恋が普通科の参加を認められないハードルは「スクールアイドル」だけになっています。

 でも、その上で謝罪はすれど、普通科の参加を認められません。

 そう。恋は、かのんたちスクールアイドルの存在だけのせいで、普通科全体が文化祭に参加することを認めきれません。*1

 例えば千砂都が普通科に転科していなかったなら、全校集会で「同好会の参加を認めない」で一応の決着を見たかもしれません。不満は残るでしょうが、全校生徒の参加を認めるところまでは行けたはず。

 千砂都が普通科にいることによってスクールアイドルが普通科の代表といえるような存在になってしまい、普通科の参加を認めれば、彼女達を代表するスクールアイドルも同時に参加を認めるような形になってしまう。

 それが食い止められれば恋としては普通科の参加を認めるのも仕方なしといったところでしょうが、それが許される雰囲気でも無くなってしまっていましたね。

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 まあ、スクールアイドルは理事長からも活動を許可されていたからね。

 

なぜスクールアイドルはダメ?

 恋の行動指針は、大きくふたつ。

 一つは、母の考え方に沿っていること。

 もう一つは、生徒それぞれが後悔を残さないこと。*2

 母の遺したものが、素敵なものであってほしい。素敵な学校って何かって言ったら、笑顔で卒業できるような学校。と、恋は思っていたことでしょう。

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 母の他の写真は笑顔で残っている。アルバムだってよく捲っていた。神宮音楽学校は、確かに素敵な学校だったのです。

 でも、その素敵な思い出からスクールアイドルに関連するものの一切が無くなっている。

 なるほど、これは「スクールアイドルだけは(笑顔が残る活動ではない、つまり後悔するから)やらないで欲しい」となるのも納得です。

 だって恋は、結ヶ丘女子高等学校に入学してくれた生徒たちに、後悔してほしくない。入ってよかった、素敵な学校だ、そう思っていて欲しいから。

 それこそが、大好きな母が人生が素敵なものであったと証明することになるわけですからね。

 

 でも思い返してみれば、恋はそもそも高校に上がったらスクールアイドルをしようと考えていました。

 スクールアイドルで母のように、学校を盛り上げようと。

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 その後調べていくうちに「後悔していたのでは」と考えていったのですが、そもそもは恋にとって、スクールアイドルがポジティブな存在であったことが窺えます。

「そうとしか思えない」という状況があったから蓋をしていたけれど、もともと「スクールアイドルは素敵なものだ」と思っている。

 恋がスクールアイドルに詳しいことや、スクールアイドルにどこかしら思い入れがあるように感じられる描写は、第2話、第3話にありますので見返してみるといいかもしれません。

 

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 恋の記憶の奥深くに眠っていた、幼い日の光景。

 それこそ、恋がスクールアイドルに肯定的な考えを持っていた源泉でした。

 母がスクールアイドルに後悔をしていなかったからではなく、もともと恋自身がスクールアイドルに憧れていたから。だから謎が解明されてすぐに、彼女はスクールアイドルに参加することができたのだと思います。

 

だれかのために

 もうひとり、葉月花さんから大きな影響を受けることになるのが、かのんです。

 第1話からそうですが、彼女は他人からの影響を受けやすい。

 ……というと語弊があるかもしれませんが、人の雰囲気から「なんとなくだけど、こう思ってるんじゃないかな」というのを敏感に感じ取るのがかのんの特徴です。*3

 で、その幸せを叶えてあげたい、私に何かできることはないか、と行動できる。

 

 第6話でかのんは、Sunny Passionのふたりが島のために頑張る姿を見て、スクールアイドルとして何かを感じる描写がありました。

 それはもしかしたら、かのん自身が「こうありたい」と思う姿に、スクールアイドルならもっと近づけるはずという気づきだったのかもしれません。もっともそれは、あの段階では恋の存在によって諦められてしまうのですが。

 

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「私、スクールアイドル活動を後悔していたようには、どうしても思えない。

葉月さんの家で見た、あのお母さんの笑顔は、ものすごくキラキラしてた」

 恋がスクールアイドルを拒む理由が「それが(母にとって)後悔を生むものだったから」だとしたら。それはかのんにとって、強烈な違和感として残ります。

 もちろん根拠はない。けれど、すごくかのんらしい動機ですね。 

 

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「ただ、いつも口癖のように『同じ場所で、想いが繋がっていてほしい』と」

 この鍵が理事長ではなく恋から渡されたのは、それが生徒会代行だからだと思っていた。

 けれど恋の母が使っていた部室の鍵に、使われていないもう1本の鍵のセット。これが学校の所持品ではなく恋の自宅の机から出てきたということは、母が恋に*4だけ託した何かが、まだ部室にあるということを意味している。

 それがどんなものであろうと、恋はその内容を知らなければならない。全てを知って、その上で学校もスクールアイドルも、自分の目で判断しなければいけない。

「無いからこうに違いない」ではなく、「何かがある」のです。

 

 本当は、自分の意思でスクールアイドルを始めた恋に向けたエールだった。けれどスクールアイドルを始めたのは恋ではなくかのんだった。

 それならかのんは、託されたものとして恋に真実を伝える義務がある。

 そしてその気持ちに触れた時、かのんの心にある想いが芽生えます。

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「音楽で結ばれる学校を、ここにもう一度作る」

 葉月花という先輩の想い。それが、かのんにとっても「自分の夢」と呼べるものになった。

 スクールアイドルとして欲していた「何か」が、スッとかのんの胸に染み込んだのだと思います。そう、第6話でSunny Passionから感じていたものの答えが、ここで見つかったのです。

 恋の記憶を呼び起こした「最高の思い出」という言葉がかのんの口から出てきたのは、ノートにあったからなのか、それともかのん自身が感じ取ったものか。それは想像するしかありませんね。

 

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「私、恋ちゃんと一緒に、スクールアイドルとして歌いたい。この学校のために。いや、この場所で作られた、たくさんの想いのために」

 皆さんに、亡くなった大切な人からの愛情を感じる機会や、その人から背を押されているとしか思えない感情が湧いた経験があるかどうかは分かりません。

 ただ私にとってそれは間違いなく「実際にあること」ですし*5、見ている私たちにとってどうかはともかく、葉月恋の人生にとって大事なターニングポイントになったことは間違い無いのでしょう。

 

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「消えないように、震えながら君が握りしめてたもの 一緒に守るよ」

 最後にこの歌詞だけピックアップしておきましょう。

 かのんが歌うこの歌詞は

・「君」が恋の場合

 恋がずっと抱き続けて、けれど諦めかけていたスクールアイドルへの思い、そして学校への思い。自分も一緒に背負いたいし、みんなのために歌いたい。

・「君」が花の場合

 花が最期まで抱いていた「結ヶ丘」という夢を、自分たちが恋と一緒に叶えていきたい。

という読み方ができます。

 かのんにとっても、スクールアイドルとどのように向き合っていくかという点で、大切なものを見つけた回になりましたね。

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おまけ

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 これ第1話からそうなんですけど、千砂都が恋に対して遠慮なく、ひとりの友達として、またはリスペクトする相手として接している距離感がめっちゃ好きなんですよね〜〜〜〜!!!

 れんちさ、あんまり注目されないけど実は恋にとって千砂都はかなり重要な人物のはずなので、その話もどこかでするかも……しないかも……。

 

終わりに

 結局ギリギリになっちゃうんですよね。書き上がりがね。

 個人的に感じるものは多く、かといってブログに何を書こう、みたいなのは結構悩む回でした。整頓って大変ね。

 実は「後悔しないこと」という考え方自体は母じゃなくて恋自身の大切にしていることなんですよね。是非これから、後悔しない高校生活を送ってほしいですね。

 

 

ぶろっく

 

アニメ画像の出典:記載の無い場合、すべてラブライブ! スーパースター!! 第8話(©2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!)より

*1:ただしこの時点で、普通科の生徒たちの声によって、恋が発言することは妨げられてしまっています。本当はどのようにまとめるつもりだったのか、この時点でまだ迷っていたのか、そのあたりは定かではありません。

*2:おそらく普通科の生徒が参加しないことと、生徒が集まらず再び廃校になることなら、廃校の方がより在校生のために避けるべき選択だと、恋は考えていたのではないでしょうか。もちろん、恋が普通科の生徒一人ひとりに寄り添ってそう考えていたのかは疑問ですが。

*3:具体的には第1話・第3話の可可、第4話のすみれ、第6話の千砂都、第7話の恋、そして第7~8話の花。対面、通話、写真と、色々なところにアンテナが高いイメージですね。

*4:あるいは、恋が託した誰かに

*5:例えば、私が細々とですが詞や音楽に触れているのは、実は母の影響だったりします。まあ、そんな話は居酒屋ですることなんですけど。