アニガサキ第9話「仲間でライバル」のこと。
エマ「今なら、実現できるかな?」
はじめに
こんにちは、ぶろっくです。
第9話ですよ。毎週個人回、毎週挿入歌。贅沢すぎか。
なんかもう、収まりが良かったのであえて書くこともないですわ。
……いやいや、書きますけどね?
でも実際、今回の感想って「そうだよね〜」という感じで。
特別な違和感もなく、個人回のラスト(たぶん)としては収まるべきところに収まったような印象です。
早速見ていきましょう。
もっと、もっと!
人気が出てきた?
果林「どうしたの?」
せつ菜「着替えてる最中に、他の生徒に見つかりそうになって……」
「優木せつ菜」と「中川菜々」の境界は、眼鏡の有無にあるようですね。
他の服を着替えてから、最後に眼鏡をコンタクトレンズに。これがせつ菜の変身バンクスタイルのようです。*1
なので、ここでの「着替えている最中」は「眼鏡を外そうとした時」とかでしょうか。
まさか、路上で着替えをしていたとかでは、ないはずです。……ないよね?
着替えをして、なんらかの理由で眼鏡を外しそびれたまま人前に出てしまい*2、そこを人に見られそうになった。おおかた、そんなところではないでしょうか。
……ところで、せつ菜の脚ってめっちゃ長いですね。8頭身近くありそう。冗談抜きで。
正体を隠しているのも、カッコいいかも。
普段は責任やプレッシャーを感じがちなせつ菜ですが、ここでは力が抜けて、本来の彼女らしい「ワクワク」した緊張感が見えて良いですね。
可愛い。
ステージで大きな存在感を放つせつ菜ですが、実はかすみよりも背が低い。
落ち着いた髪色、抜群のスタイル。並ぶと、なんだか姉妹のようですね。
まずは学内で、ほんの少しずつ対外的にも、人気が出始めている同好会。
みんな、着実に“自分の目指すスクールアイドル”に向かってる。
5人の同好会ではできなかった、今までの同好会でも形が見えづらかった「私たちのライブ」を、今度こそ、実現したい。
そのための話し合いをしようというところで、彼女たちが現れたのでした。
自分が好きなことを
東雲学院スクールアイドル部1年、近江遥。
藤黄学園スクールアイドル部2年、綾小路姫乃。
二人が持ってきたのは、大舞台で歌うステージの話でした。
ニジガクの面白さを肌で知っている遥と、しずくや果林の姿からニジガクに興味を持った姫乃。
本来は2校しか呼ばれていないステージでしたが、3曲目にニジガクを推薦してくれた両者。果たして、その思惑は……?
まあ、単純に「彼女たちが大きな舞台に立ったら、どんなパフォーマンスが見られるのだろう」ということだとは思うんですけどね。
かすみをはじめ、同好会としても滅多にないチャンス。ぜひ参加したい。
けれど問題があって。
各校の持ち時間は1曲(おそらく、転換を含め10分以内)という制限がある。ニジガクのスクールアイドルは9人いるので、ワンコーラスのメドレーでも15分はかかってしまう。*3
つまり事実上、ニジガクからこのステージに立つことのできるのは1人だけ。
1人しかステージに立つことができない。
仲良しでも、いや仲良しだからこそ、気を遣いすぎて。
今の同好会で中心を担うのは、せつ菜とかすみ。
その二人も、あるいは二人を見守る彼方やエマもそうですが、「お互いを尊重する」ということを意識しすぎて、全体に決断力を欠くような状況を招いています。
同好会に思い入れが強いのは、最後に加入したメンバーである果林も同様です。
強い言葉で語っても、その点はみんなと変わらない。
果林「衝突を怖がるのは分かるけど、それが足枷になるんじゃ意味ないわ」
意味。
今の同好会が衝突を避ける意味。
元を辿れば衝突が活動の妨げとなったことがきっかけでした。かすみとせつ菜の衝突。それを止められないメンバー。
恐れを語るシーン。せつ菜の繊細さは、彼女の大きな魅力でもある。
それでも、みんながお互いのことを大切に思っている。
自分も、仲間も、みんなが素敵なスクールアイドルになれたら良い。
それぞれがスクールアイドル像を持って、「自分が好きなことを追求する」。それが今の同好会の良さ。
果林「でも。もっと……もっと!」
そんな同好会に迎え入れられた果林。
果林は、一般的に見てスクールアイドルらしい子ではないかもしれない*4。けれど、彼女らしいスクールアイドルを追求して良いのが同好会。
自分の気持ちを殺して譲りあう?
平等を考えて、運に任せる?
それって「自分が好きなことを追求する」ことからは、すごく遠い。
1曲しか歌えないステージ。
であれば、最も虹ヶ咲らしいステージを披露できるのは、最も「自分が好きなことを追求する」ことのできるメンバーです。
それが、果林の言う「本気でそれに立ち向かえるメンバーを選ぶ」ということでしょう。
次のステージへ
本気で立ち向かうということは、「自分たちのステージ」を目指す上でも重要なこと。
せつ菜「私たち同好会が、次のステップ*5に進むために、必要なことだと思うんです」
もし1曲のステージではなく、みんなが歌えるライブだったとして。
例えば(本当に例えば)エマが「私の歌が果林ちゃんのカッコ良さをぼかしちゃうかもしれない」と考えたりするかも。
けれどそれぞれが全力で追求したものでなければ、同好会らしいソロの追求とはかけ離れています。
そういった選択が彼女たちにとっていかにネガティブか、この表情からも伺えます。
今回は1人だけを選ぶことになりましたが、将来的には「本気でそれに立ち向かえるメンバー」が9人全員になってはじめて、「自分たちのステージ」が完成するのだと思います。
たぶん果林にとって、姫乃が具体的に何を企んでいるのかはさして重要なことではなくて、最も重要なのは「その上で私たちがどうするか」なんですよね。
せつ菜「いつか私“たち”も、ここに並べるようになりたいです」
普段衝突を避けているせつ菜。
同好会ではスクールアイドルとして最も優れていると言える彼女の「悔しさ」は、果林には新鮮だったかもしれません。
ソロとしても自分を追求したい。その上で、みんなが素敵になれたら良いよね。*6
当たり前のことではあるんですけど、非常に大切なことを再確認する場面でした。
迷子とお節介焼き、そういえば第二話でもそんなシーンがありましたね。
ニジガクのステージ
一人しかいない
立候補では代表が決まらず、推薦では(おそらく)満場一致で果林に。
これはおそらく、今回の件で虹ヶ咲の「らしさ」に最も真剣に向き合えていたのが果林だったからでしょうね。
そんな果林だから、みんなが託しても良いと思えた。
会場の全員がスクールアイドルのファン、ではない。
フェスで今年から新設された部門、その中でも二校に比べ知名度のない虹ヶ咲のスクールアイドルが、トリを務める。
……え、これまさか会場全体の大トリだったりする?
東雲学院のスクールアイドルたち。
もしや、スクールアイドルを話題にしていた観客のいう「ミラージュ」は、彼女たちのことなのでしょうか。
もしそうであれば、「東雲(夜明け前の雲)」と「幻影」というのは、なんだか夢を現実に橋渡ししてくれそうで良い名前です。なんか彼方みたいだな……。*7
果林「虹ヶ咲学園の代表として、恥ずかしくないパフォーマンスをしてみせるわ。モデルではなく、『スクールアイドルの朝香果林』としてね」
そして虹ヶ咲の代表として、強い視線と言葉で語る果林。
けれどそれは、「カッコつけて、大人ぶって」いる彼女の姿です。彼女もまた、そんな自分から脱皮しないといけない。
そんなごまかしは、大観衆の前に出たら吹き飛んでしまう。
全員の「出たい」の上に立つ彼女に、プレッシャーがのしかかります。
それは虹のように
本番を前にして、姿を消した果林。
捜索の末見つけた果林は、普段の彼女とは全く違う表情をしていました。
ビビって、不安で、立ち上がれない果林。
全員から期待されて。出番を奪って。
親友から心からのサポートをしてもらっておいて。
いつもスカした大人のふりをしているクセに。
果林「ごめんなさい」
大切なときに、こうなってしまう。
みんななら、果林のことを責めないかもしれない。
けれど、衝突を避けるみんなに偉そうなことを言って、それがいざ本番前に……となっては、何を言われても言い返せない。
もし誰かの言うようにくじで決めていたら、こんな事態にはならなかったかもしれないのに。
私も出たかったのに。
「出たかったですぅ!」
そんな声をぶつけられても仕方がない。
ここで動いたのは、果林が特別にライバル視しているせつ菜でした。
果林は情けなくなんかない。
大きなステージへの不安もそうですが、みんなの気持ちを背負うことの難しさも責任も、かつて部長として失敗を経験したせつ菜は感じることができました。
果林のことをよく知るエマも。
ステージへの不安を共有できる璃奈も。
本当に心強い。
彼方「私たちがいるじゃん」
しずく「ソロアイドルだけど、ひとりぼっちじゃないんです」
どうしてみんなが優しいのか。
愛は「わかるでしょ? そんなの聞かなくたってさ」と言います。
そして実際、果林にも伝わっていて。
第6話より。「行くわよ?」
第7話より。「それってワガママじゃなくて、自分に正直っていうんじゃない?」
そういう果林だって、困っていたら助けたくなるし、ステージが見られないのも嫌なんです。
だって、「ライバル」で「仲間」だから。理由なんて、それで十分です。
言葉にならなくても、分かってしまう。
立ち上がった果林に、かすみが提案したハイタッチ。
これは虹ヶ咲のライブで実際にキャスト同士が行なっていることでもありますが、この光景は……アガりますよね。*8
行ってやる、やってやる、っていう気持ちになります。
メンバーによってタッチも違うのが良いですよね。
かすみとはウインクしながら。
愛、璃奈とは軽やかに。
彼方、しずくとはリズミカルに。
侑、歩夢とは確かめるように。
エマとは挨拶を交わすように。
せつ菜とは特に高く力強く。
自分の好きを追求することと、仲間が大切なこと。
両方が重なって、果林は「虹ヶ咲のスクールアイドル」になりました。
大人ぶっている果林とは、まるで表情が違う。
せつ菜の言う「次のステップ」に、同好会全体としても前進したような気がしますね。
侑の瞳に映った輝きが、これからどういう物語を紡いでいくのか……クライマックスに近づいているのは確かですし、なんならライブ回とかあってもいいんですよ……。まるまる1話使ってライブ回。見たい。個人的にはね。
侑のお当番的な回があるのかどうかも気になる所ですね。
あるなら、そこで9人曲が来るかも?
楽しみですね。
おまけ
好意100%で誘っていたのでは? と言われていたひめのん。
実際には、他の土俵からスクールアイドルになった表現者が、スクールアイドルにとってもファンにとっても刺激になるようなことを期待していたんじゃないかとは思います。
……しかし、一緒に話を持ちかけた遥の姉・彼方や東雲と同じステージで歌ったことのある璃奈、人気・実力とも作中で推定ナンバーワンのせつ菜、あたりになる可能性を考慮しても、果林が出てくる可能性に賭けたのかなとか、考え始めると楽しいですね。
後、果林が通り過ぎる時のゾクゾクしている表情いいですよね。好き。
終わりに
個人回、第9話まできましたね。
いやあ、ここまでよく、毎週数字に合わせてサムネを探してきましたよね。第3話だけはこじつけなんですけど。
9っぽくは……うーん……
今回は、アバンパートで語られた自分たちのライブを実現するための準備を兼ねているような回でした。虹ヶ咲らしさみたいなものを確認できた、大切な回ですね。
今週はスクスタのメインストーリーが好きすぎてなかなかブログに向き合えなかったのですが、じっくり時間をかけて観れば互いに違った楽しみがありますね。
スクスタでもアニガサキでも、もっと彼方ちゃんに出番を……
ぶろっく
アニメ画像の出典:記載がない場合、すべてラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第9話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)より
*1:なので第3話で眼鏡を外したとき、制服でもあれはせつ菜であったと言えますし、あるいはコンタクトをしていないから「どちらでもある彼女」だったとも言えます。なお、アニガサキのせつ菜がコンタクトをしているという描写は、アニガサキ設定を継承している「素顔のフォトエッセイシリーズ01」にて確認することができます。
*2:例えば、親から携帯に電話がかかってきたとか。部室では他のメンバーも着替えをしていたかもしれませんし、騒がしい環境で電話を受ければ放課後に遊んでいるように思われてしまう。であれば眼鏡以外の着替えがひと段落したせつ菜は部室の外で電話を受けるでしょう。
*3:参考までに、フジテレビTWOで放送された「ラブライブ!フェス」の編集版でニジガク9人がワンコーラスを歌い切るまでにかかった時間は約13分半でした。MCもメンバー入れ替えも考慮せずにこの時間なので、実際にはもっと時間がかかるでしょう。
*4:少なくとも、作中で果林は自分には似合わないと思っていた訳ですし。
*5:これは、冒頭の会議で議題に上がった「私たちのライブ」を念頭に置いていると思われます。
*6:ある意味、虹ヶ咲の「グループ像」とでもいうようなものですね。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はそれぞれがソロのスクールアイドルですが、、ソロ活動によって高みを目指すグループという見方もできそうです。
*7:彼方はもともとスクフェスにおいて、東雲学院から音ノ木坂に転入したメンバーの一員でした。このステージの八人は全員その頃から彼方と同じ衣装を着て配信されていた子達なので、個人的にはこの輪の中に彼方がいないのは寂しさが強いですね。
*8:そして、このシーンはラブライブ!サンシャイン!!Second Season第6話「Aqours WAVE」のオマージュでもあるわけです。グループとして何かを形にする場面、立ち上がる勇気をくれる仲間。そして流れるメインテーマ。アウェーでのライブ。この後の侑が走る場面も込みで、どこか感慨深いシーンでもあります。