明日へ向かって輝いていく。——ラブライブ！サンシャイン!!２期BDソロ曲簡易総括
こんにちは、ぶろっくです。
ますます3rdライブツアーの熱が高まっている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回はBD特典のソロ曲が出揃ったということで、総括記事です。
個別の記事については、書いているものと、いないものありますが。
魅力的な曲たちのひとつの読み解き方として、参考になれば幸いです。
はじめに
本記事では、9曲を「同じテーマを持った楽曲群」として考えていきます。
そのテーマは、「明日もきっと、輝いている。」
ついに公開日とタイトルが、公開されましたね。
ラブライブ！サンシャイン!!劇場版告知ポスター(?) の文言です。
あるいは、千歌ソロ曲のタイトル「One More Sunshine Story」
つまり ——「もう一度、輝くために」と言い換えてもいいでしょう。
どの楽曲にも彼女たちのパーソナルな魅力がたっぷり。
その曲たちに、何か共通の「想い」があるのだとしたら。
その答えはきっと、BD第7巻収録「キセキヒカル」で、試聴の先に語られているのだと思います(あくまでも想像です)。
そこまで待つのがじれったいので、というか悔しいので。
私なりに、考えてみました。
というわけで、どうぞ。
高海千歌「One More Sunshine Story」
【試聴動画】「ラブライブ！サンシャイン!!」TVアニメ2期Blu-ray 第1巻特装限定版 封入特典・録り下ろしAqoursオリジナルソングCD①「One More Sunshine Story」
高海千歌「One More Sunshine Story」~明日の輝きかた~
「やっと、見つけた！」
「みんな信じてくれて、ありがとう！」
９曲に共通の「想い」を感じたきっかけは、この曲でした。
One More Story 新たなStory
自分の力 信じよう
この曲を歌う千歌は、アニメ２期の物語の先にいるのだと思います。
・「自分の力 信じよう」から、少なくとも２期６話以降とおもわれる。
・「次なる世界」が「WATER BLUE NEW WORLD」で探すべき"新しい場所"を連想させる。
・「(One More)Sunshine Story」が「私たちが過ごした時間の全てが、それが『輝き』だったんだ」を踏まえた表現と考えられる
明確な根拠に乏しいのが、心苦しいところですが。
そこは「そう考えたら素敵」精神です。
ともあれ。"明日の輝きへ向かう曲"なのは間違いありません。
特に「未来は見えないから ときめくね」に、千歌の成長を感じました。
「(μ'sという)輝きを追いかけ」て、それを脱してからは「未来に臆病にな」っていた千歌。
彼女がスクールアイドルを経て手に入れた"明日の輝きかた"が、この曲には詰まっています。
（「ときめく」という言葉は、古文などでは「時流に乗って栄える」という意味です。“イマ”ですね。こじつけですが。）
国木田花丸「おやすみなさん！」
【試聴動画】「ラブライブ！サンシャイン!!」TVアニメ2期Blu-ray 第2巻特装限定版 封入特典・録り下ろしAqoursオリジナルソングCD②「おやすみなさん！」
国木田花丸「おやすみなさん！」~明日を迎えにいく~
「できないなんて やんなきゃわからないね」
「一緒に閉めるずら！！！」
そんな明日を、現実の中で日々迎えることの難しさ。
それは、本の世界の美しさを知っている花丸が、一番よく知っているのかも。
お話は、本を開けば必ずそこにある。言葉が丁寧に教えてくれる。
けれど現実は、もっと難しい。
言葉にはできないような 悲しみたち知った時
無力な自分悔しいと 涙ぽろり落ちる
そんな花丸がスクールアイドルを経て、大切な仲間を得て。
そして次に進む決心をした２期13話。
心打たれた方も、多かったのではないでしょうか。
２番では「幸運はまず笑うことから」と前向きに努力する花丸の姿が微笑ましいですね。(失敗？それこそ一歩目だ！)
「WATER BLUE NEW WORLD」では、３年生を送り出すパートを二回も担当している花丸。
誰よりも勇敢に"明日を迎えにいく"彼女に祝福あれ。
津島善子「in this unstable world」
【試聴動画】「ラブライブ！サンシャイン!!」TVアニメ2期Blu-ray第3巻特装限定版特典CD③「in this unstable world / Pianoforte Monologue」
津島善子「in this unstable world」~明日を渡る~
「それなら占うまでもありません」
「少なくとも私は、感謝しか……」
迎えた現実の息苦しさを、誰よりも知っているのは善子でしょう。
不運を嘆き、周囲からは受け入れられず。
けれど心の中で感謝を忘れない、とっても善い子の善子ちゃん。
聖なるセカイ夢見てるの？
白い翼を背にしたいの？
でも貴方とアナタと私達 無垢なままでいられない
そんな彼女の可能性を、力いっぱい肯定してくれた仲間たちがいます。
自分に見出した可能性を、そしてアナタに眠る力を。
今度は津島善子が、しっかりと肯定して形にしてくれました。
"unstable"は「不安定な」「落ち着きのない」という形容詞。
セカイの方こそ不安定なのに、我々が「聖なる≒退屈な」ままではいられない。
出会えたその繋がりは、混沌とした色を模様を描いていく。
きっとそれが、"明日を渡る"チカラになるはずです。
桜内梨子「Pianoforte Monologue」
桜内梨子「Pianoforte Monologue」~明日を信じている~
「自分が選んだ道が間違ってなかったって、心の底から思えた」
「恩返しなんて思わないで。みんなワクワクしてるんだよ」
自分を肯定して、夢へと渡る力を見つけて。
その道が険しかったからこそ、梨子の胸に溢れ出すもの。
それは「ピアノの音」という形をとって、私たちに示されました。
あなたを音で抱きしめたいの
受け取ってこの想い
感謝、喜び、そして……信じるココロ。
今日までの私、支えてくれたあなた。
何度でも何度でも、その調べを梨子は紡ぎます。
忘れないでね
私かあなたか、また誰かの熱い願いを、呼び覚ますように。
この繋がりが、また運命を導いてくれるように。
この曲とリンクする「想いよひとつになれ」で表現されたもの。
それは決意と、「信じている」の気持ち。
強さ、願い、運命。それらを胸に持つ限り。
"イマ"の梨子の想いは、"明日を信じている"のです。
信じる心こそ、彼女の手にした強さなのだと、私は思います。
渡辺曜「Beginner's Sailing」
【試聴動画】「ラブライブ！サンシャイン!!」TVアニメ2期Blu-ray第4巻特装限定版 封入特典・録り下ろしAqoursオリジナルソングCD④「Beginner's Sailing」
渡辺曜「Beginner's Sailing」~明日の風になる~
「絶対後悔させないぞー！」
「落ち着いて。大丈夫、大丈夫だよ」
想いを重ねても、それはまだ「１」にはならない。
そのことを誰よりも理解している曜。
能力の高い曜ですが、彼女もまた、失敗を乗り越えてきました。
曜は知っています。失敗を「一歩目」にすることの大切さを。
"ホンキ"の一歩が、輝いていることを。
笑わないよ！
あの日、カッコ悪く気持ちを零した曜が、歌うのです。
「ホンキなんだね」
一歩だけ海へ踏み出したら、きっと風が背中を押してくれる、と。
つまり明日の朝
昨日の自分がんばったと言えるように
だって、知っているのです。
あの夜自分の心と向き合って、ほんとうのことに気がついた。
そして迎えた本番のことは、私たちも知っていますよね。
明日の私の背を押す風は、「がんばった昨日の自分」。
つまり"イマの自分"です。
失敗した自分に背中を押してもらうのは、最初はちょっと難しい。
大事なのは「好き」になる情熱です！
だから、彼女は歌います。
今日のあなたが、"明日の風になる"んだぞ、と。
一緒に行こう、怖くない、と。
黒澤ルビィ「RED GEM WINK」
【試聴動画】「ラブライブ！サンシャイン!!」TVアニメ2期Blu-ray第5巻特装限定版特典CD⑤「RED GEM WINK / WHITE FIRST LOVE」
「ルビィが何かできたら嬉しいんだって」
「今は、大好きなみんなと一緒に歌えることが、一番嬉しい」
受け取った“勇気”のプレゼント。
抑えきれない想いと、受け取った勇気。
ああっ…まだ言えない！
引き返すなんてつらいな
夏ははじまりの季節。
思えば、Aqoursが9人になったのも夏でした。
「ようこそ、Aqoursへ！」
ラブライブ！決勝へと駒を進めても。
彼女は自分のキモチを、言葉にすることに抵抗を持っています。
うっかり口にしてしまったら、勢いで外へ飛び出してしまうほど。
RED!! だけど日差しのウィンクが背中押してる
"RED GEM WINK"は「"赤の宝石"のウィンク」
"赤の宝石"は、黒澤"ルビィ"の心を示しているのか。
それとも、赤をイメージカラーとする彼女からのプレゼント？
「ほら、勇気をお出しなさい？」
ルビィはAqoursのなかで、きっと一番"明日"を生きている子です。
ずっと秘めていた思いを、スクールアイドルであることを、今ここで実現できている。
だからきっと、今日はまだ言えないままでも、明日はきっと言える。
ねえ、お姉ちゃん。"明日の私に勇気を"ください。
いいえ。それはもう、貴女の心の中にあるのです。
黒澤ダイヤ「WHITE FIRST LOVE」
黒澤ダイヤ「WHITE FIRST LOVE」~明日の恋を叶える~
「さあみんな、スタジアムに集まれー！」
「大きくなりましたわね」
以前「試聴がアニメの物語を連想させる」という話をしました。
フルサイズで聴くと、どうやら微熱方面に振り切った曲のようです。
そう思っていました。この記事を書き始めるまでは。
優しくされたい 違うそうじゃない
孤独な光が
私と似てるから惹かれるの
想いを届けたいって変わってく
願いが生まれる
いかがでしょうか。
二期４話「ダイヤさんと呼ばないで」の、以下の要素を感じます。
・ダイヤ"ちゃん"と呼ばれたい。他のメンバーのように打ち解けたい。
・同じようにしっかりしている少女を見て、ダイヤさん動く。
他にも「言えないままじゃいや」が二期10話の進路の話かなとか。
ともかく二番も、アニメの物語を連想できる部分は多そうです。
さて、そんなダイヤ。
果南が「頼り甲斐はあるけど、どこか雲の上の存在」と評したように、どこか浮いている自覚を持っていたのでしょう。
そんなダイヤが憧れたスクールアイドルμ'sは、どうでしょう。
千歌「みんな私と同じような、どこにでもいる普通の高校生なのに、キラキラしてた」
(ダイヤの口にするμ's評はなんというか、ああなので、千歌のものをお借りしました。)
雲の上の存在ではあっても、こんなに親しみを持たれている。
μ'sの「みんなで叶える物語」というキャッチフレーズにも、影響されているのかもしれません。
言えないままじゃいや
そんなダイヤが、この"恋"に見つけた答え。
それは、どこであろうと心を込めて歌を届ける、という、誇り。
可愛いところ、うっかりなところも見てくれる友達がいて。
その上で、「しっかりしている」ところを必要としてくれた仲間がいる。
だからこそ、今度こそ、全霊で歌を届ける。
WHITE LOVE, FIRST LOVE
恋が始まる
これが初恋なら、二度目の恋はどうなるのでしょう。
明日の恋にも、きっと彼女は心を込めて、その歌を届けます。
"明日の恋を叶える"ために。それが彼女の誇りなのです。
小原鞠莉「New winding road」
【試聴動画】「ラブライブ！サンシャイン!!」TVアニメ2期Blu-ray第6巻特装限定版特典CD⑥「New winding road / さかなかなんだか？」
小原鞠莉「New winding road」~明日も道は繋がっている~
「まさか、『やらない』とか言うんじゃないよね」
「みんな、ありがとう！」
卒業後はイタリアに進学する鞠莉。
高校での留学は本人の意思とは言えないものでした。
けれど今度は、彼女の意思によるものです。
同じようで違う太陽
優しかった街の景色は
遠く離れて鮮やかになる
私がこの曲を聴いてイメージするのは、進学するイタリアのこと。
なんとなく、海辺の街なのではないかな、と想像しています。
(具体的には、「劇場版ポケットモンスター」でもモデルになった、ヴェネツィアの風景です。)
内浦の街並み、陽の光、空の色、海の輝き、そこにいる人。
そのどれもが、同じ海の街でも全く異なります。
行ってみて感じることですが、内浦のそれは「優しい」のです。
心はどんな時でも あの頃の空の色忘れはしない
何を思って鞠莉が海外進学を決めたのかは、定かではありません。
（これは果南やダイヤにも言えることですが。）
けれど、責任感の強い鞠莉が、統合先の理事を蹴って進学する。
G's版でなら自然な選択と言えますが、アニメ版では重要な決断です。
ひとりになったとき、色々な思いに苛まれる日もあるでしょう。
例えば、小原鞠莉の力では、浦の星を守れなかったこと。
例えば、愛する後輩と内浦を残してきたこと。
今に至るまで、もっといい方法はなかったのかと考えるでしょう。
目を閉じたら
ふとよぎる歌があって
けれど、その度に彼女の心は、あの日々に戻ってきます。
真剣に、優しい眼差しで見つめた、雨の体育館。
みんなと共に、空に放ったスカイランタン。
二年越しの花火大会。
それに、日々を彩った出来事のキセキ。
他ならぬ、彼女たちの願いが生んだ輝きでした。
「私にとって、なによりも幸せで。私にとって、なによりも暖かくて」
これまでだって、平坦な道なんて無かった。
その道のりが、ひとつひとつ輝いていたから。
だから彼女は、これからも前を向き続けるのです。
"明日も道は繋がっている"から。
私とあなた、昨日と今日、そして未来へ。
優しい故郷の光を胸に。
まぶしい光探しに行こう
松浦果南「さかなかなんだか？」
松浦果南「さかなかなんだか？」~明日の苦しみを和らげる~
「やっとこれで終わりだ、って」
「千歌、時間だよ。準備はいい？」
果南にとってスクールアイドル生活は、苦しいものだったでしょう。
鞠莉の将来との間に板挟みにあった、一年生の頃。
千歌たちに押し付けていいのかと悩んだ、三年生の頃。
軽くなれもっと 体も頭も
今世界から解き放たれて
そんな重さを感じるのが、最初のこの歌詞。
冒頭の壊れたラジカセ(?)のような音も、心の軋みを感じさせてくれるかも。
そんな果南が自分をリセットすることができる場所。
それが海であり、水中なのだと思います。
灼けた肌にはひんやりと気持ちいいね
魚には、人間が素手で触れると、火傷するものがいます。
体温や水温に対して、人間の熱は高すぎますからね。
悩みを沢山抱えてきた果南が、冷たい水に一安心する。そんな風景を感じます。
何も持たない 希望以外は この海で明日も遊ぼう
ゆっくり目を開けて 足を着けて
立ち上がる ひとにまた戻りながら でも心は軽くなってた
果南にとって、スクールアイドルとは、なんなのか。
"やりたいこと"であると同時に、"取り戻すために必要なこと"なのでしょう。
「結局ステージのミスって、ステージで取り返すしかないんだよね」
スクールアイドルとして犯した失敗は、スクールアイドルとして取り返すしかない。
あの日できなかったことを達成したい。
けれど、あの日と同じ犠牲を出してはいけない。
だからこそ千歌にも、重荷を背負わせることを避けようとしたのではないでしょうか。
「大人っぽくサバサバした性格で、あまり物事にこだわらない。落ち着いていてどこかクールな雰囲気を纏っている」(ラブライブ！サンシャイン!!公式サイトより)
そのイメージに比べ、アニメでは周囲に気を配るような言動が多いと感じます。
困ったような表情で「せいせいしている」と語った果南。
その気持ちにも偽りはなくて、でも残された時間を楽しみたくて。
ダイビングは、そんな自分をリセットする方法でもあるのでしょう。
果南は、ダイビングのインストラクターの資格を取るため、海外へ旅立ちます。
こんなに素敵な景色を共有したい、という思いなのか。
はたまた、苦しい自分を助けてくれた海に、恩返しなのか。
好きなことを仕事にしたい、というだけなのかも。
果南にとってこの曲は"明日の苦しみを和らげる"ヒントなのです。
夢は、痛み抱えながら求めるものですが、それでも。
どこにいても、空と同じように、海も繋がっているのです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
ソロ９曲を、一本の軸で考えてみました。
ひとつひとつは別の意味を持っていても、全体としてみると、また違ったものが見えてきます。
この道筋をまとめて、最後に聴こえてくる「キセキヒカル」には、期待しかありません。
だって、彼女たちはスクールアイドルから、たくさんのことを得ました。
それが形になって、私たちの前にあらわれた、キセキ。
その最後に待っているのが、彼女たちに寄り添い続けてきた、あのメロディーなのです。
【試聴動画】「ラブライブ！サンシャイン!!」TVアニメ2期Blu-ray第7巻特装限定版特典CD⑦「キセキヒカル」
やっと、見つけた！
control(command) +a っていうコマンドがあってですね。
