今日も主食はカロリーブロック

ラブライブ!やラブライブ!サンシャイン!!に関することを、時折思いつきで書いていこうと思います。

「bastidores-楽屋-」を観劇してきました。

 

 2018年3月30日19時より、「bastidores-楽屋-」を観劇してきました。

 書いているのは翌朝、3月31日です。

 

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 きっかけは、伊波杏樹さんが出演されていること。伊波さんの出演する舞台は一度観てみたかったのです。

 それに、単純に何か小さい劇場の舞台を観に行きたかった。

 もともと少しばかり演劇をやっていたこともあって舞台も好きなのですが、最近はめっきり足が離れてしまっておりました。

 久しぶりに生の舞台のエネルギーを感じることができて、とても楽しかったです。

 伊波さんが可愛いだけでなく、内容としてもバッチリ面白かったですし。

 DVDの予約もできたので、今から待ち遠しいですね。

 

 内容は、オムニバス形式の「楽屋」にまつわる三本のお話。

 その合間に、ゲストの方による朗読、ナレーションが入ります。

 私の観劇した公演では、下屋則子さん。「Fate/staynight」の間桐桜役でお馴染みですね。

 この方がまた、可愛らしく、お茶目に、感情的に、素敵な朗読を披露してくださいました。

 

 さて、それでは備忘録的に、その三本についてさらっとご紹介しましょう。

 記事の性質上ネタバレを含みますので、DVDで初見の予定の方はご注意ください。

(千秋楽を迎えているので、多少なら大丈夫でしょうかね?)

 

 

 

 

『四文字の嘘』

 

馬場「いや~エリちゃんが口をつけたドリンクは最高に美味しかった。彼女の唾液の味は、まるで新鮮な苺を使ったストロベリーフローズンヨーグルトみたいな—」

 

 前日までの公演についた劇評でケチをつけられ激昂する演出家・戸田、それに伴う台本変更を拒むベテラン俳優、酒巻。

 お互いに主張が通らないなら舞台をやめると譲らない二人と、夢のために是が非でも公演を成功させたい演出助手の浅井。

 コミュ障な新人俳優・市井と先輩の中堅俳優・馬場は、三人それぞれの思惑に巻き込まれながら、公演を成立させようとするのだが—

 

 

 というようなあらすじです。

 タイトルの『四文字の嘘』は市井がコミュニケーションに困ると四字熟語を乱発してしまう癖と、彼のとある想いから出る行動とが由来となっています。

 各々が抱える想い、こだわり、そういったものがぶつかり合い、状況は不自然なほどに悪化していきます。

 個人的には市井のピュアな想いに共感するところもありつつ、実はプロの演劇屋としての心意気を持っている馬場の、戸田と酒巻を諭すシーンがお気に入り。

 一度撒いたボケは徹底的に回収してくるのも、「あ、これあとで絶対回収されるやつや!」と、疎い私でもニヤニヤしながら見ることができました。

 

 とはいえこの記事を(主にラブライブ!サンシャイン!!つながりで)読んでくださっている方が気になっているであろう、伊波さんがどうだったか。

 ……めっちゃくちゃ可愛かったです。はい。

 伊波さんは演出助手の浅井エリ役でした。

 夢のために必死に公演を成功させようとする姿、市井に語りかけるシーン、市井と二人だけになった途端ぶりっ子言葉で甘えだす小悪魔っぷり、別れ際のフランク感。

 どれを取っても女優・伊波杏樹が観客の心を揺さぶる力を持っていることがとてもよくわかる作品でした。

 

 

 

 

『劇場には・・・』

 

妖精「気持ちはわかったけど……けど……寂しいんだもん」 

 

 何かが出る、と噂の立つ劇場の楽屋で過ごす面々。

 そんな中、斎藤にしか見えていないらしい「何か」が不思議な力で場をかき乱していく。

 無邪気に振る舞う「何か」は悪意を持ってはいないようだが、唯一(のはずである)見えている斎藤は、他のメンバーから不審がられる。果ては「成仏させられないのか」と。

 なぜ「何か」はちょっかいを出しているのか、斎藤は何者なのか、なぜ彼は演じるのか。

 

 

 

 こちら、筋道だった物語というよりは、その自由気ままな振る舞いを楽しむ側面の強い、可愛らしいお話でした。

 一応「何か」というのは妖精なのですが、斎藤(と、妖精が気に入っているらしい馬場)の二人が有利になるようないたずらをしていきます。

 このお話についてはこれ以上語ってしまうとネタバレになってしまうのですが、妖精に対して自分が役者になった経緯を熱弁する斎藤がカッコよかったですね。

 その感覚を理解できず、けれど歩み寄ろうとする妖精もまた、可愛らしく素敵でした。

 

 このお話の伊波さんのお話もします? 非常に愛らしかったです。

 今回は妖精の役。様々な魔法で楽屋を引っ掻き回していきます。

 彼女の表情がコロコロ変わっていく様子がどこか人間離れしていて、まさに妖精、といった感じでした。

 その動きの軽快さ、身軽さ、自分のことを周りが認知できないもどかしさ、どれも伊波さんの能力の高さを感じました。

 

 

 

 

『覆水ボンド』

 

浅井「私です。疫病神は私なんです……私やっぱり……舞監無理……だってやりたいのは役者なんだもん」

 

 Show must go on!! 

 本番直前の楽屋。メイクをしながら演出の最後のダメ出しを受ける面々。

 こだわりやトラブルを、問題を抱えながら、それでも舞台の幕は上がる、カウントダウンは進む。

 覆水、盆にかえらず。

 ……ティッシュは大切にね。

 

 

 あらすじを書きながら「私は何を言っているんだ」と思いました。

 こちらも、詳しく知りたい方はBOOTHで販売されるDVDをご購入いただきたい。……会場限定のQRコードからしか買えないのでしょうか?普通に買えるのかな?

 登場人物は基本的に三本、同じ役者さんが同じ名前の役なのですが、脚本が全く違うので、もはや別の人物です。

 例えば浅井が演出助手ではなく、ネガティブ思考気味の舞台監督であったりとか。

 何があっても、舞台を成立させなくてはならない。たとえティッシュが切れてメイクに支障をきたしても、ハイパーストロングボンドが掌と机を接着しても、幕は上がるのです。

 そんな中での彼らの魂が感じ取れる、「あるあr……ねーよ!」という作品です。いや、あるのか……?

 

 今回の伊波さん扮する浅井エリ。いわば、全ての元凶。

 彼女のネガティブな役は想像できないという方もいそうですが、これがまたしっくりくるのです。

 特に小悪魔でもぶりっ子でも妖精でもないのですが、その真摯さはしっかりと座組にも伝わっていました。

 浅井を元凶としたトラブルがあったわけですが、それをメンバーが乗り切る姿こそこの演目の見どころ。

 よってメインで何か、という役ではないのですが、それでもそこに生きている彼女がはっきりと伝わってきました。

 

 

 

 

 そんなわけで、久しぶりの観劇を楽しませていただきました。

 ライブもそうですが、生の熱量は現場でしかわからないものがあります。

 今回のような小規模な劇場は特に、距離が近いだけに伝わりやすいものがあります。オススメです。

 ずっと笑いっぱなし、感動しっぱなしの二時間でございました。

 

 明日からもお仕事、頑張ります。Show must go on.です。

 伊波さん、素敵な舞台を観るきっかけをくださって、本当にありがとうございます。

 岩崎大さん、20周年おめでとうございます。